第6話 魔法のお披露目
「ここは……?」
「ここは闘技場という場所だ。 模擬戦などを行う際に利用される場所だ」
「年2回の魔法学校別のバトルフェスタの会場の一つでもあるんですよ」
受付の女性、クレス校長、ファナに案内される形でたどり着いた場所は、規模が大きい闘技場だった。
この闘技場の規模も【ワルジール魔法学校】と比べたらかなり広い。
しかし、年二回のバトルフェスタの会場でもあったなんて……。
向こうに在籍していた時のボクには縁がない大会だったもんねぇ。
「では、ここで幾つか指示された魔法をあそこの的に向けて放ってみて下さい」
「はい」
「では、まず【ファイアボール】でお願いします」
まず、【ファイアボール】を使ってと受付の女性から指示が出た。
これは火の初級魔法であると同時に全ての魔法の基本魔法でもある。
これで最初の判定をするのだろうか。
そう考えながら、ボクは魔法の詠唱を終えた。
「【ファイアボール】!」
ボクは用意された的に向けて火の玉を放った。
しかし、思った以上に火の玉が大きい。
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」
そして、的に当たったと同時に強大な炎が発生した。
ファイアボールでこれとか……がむしゃらにやって来た成果がここで出ちゃったの!?
ボクもこの威力に少し呆然としていた。
「み、ミスリル製の的が一瞬で消し炭に……!」
「いやはや、ファイアボールの威力じゃないな」
「クリメイションに近いレベルですよ……」
クレス校長もファナも呆然としていた。
というか、さっきの的ってミスリル製だったの!?
うわぁ……、これどうしよう……。
「で、では次は風の魔法を見せて下さい」
「わ、分かりました」
気を取り直して、次は風の魔法をお披露目する。
使うのは風の初級の広範囲魔法の【ストーム】だ。
「【ストーム】!」
ボクが魔法を唱えると、闘技場の周囲に突風が吹き荒れた。
「くっ、結界魔法【サンクチュアリ】!!」
「わわっ!?」
「きゃあっ!?」
あまりにも強い風で、咄嗟にクレス校長が結界魔法を放ち、風の魔法を抑えてくれた。
しかし、吹き飛ばされなかったのはいいが、それでもボクやファナのスカートが捲れ上がる。
風が弱まるまで、スカートを押さえたくらいだ。
「しかし、ストームの魔法でも強力な風だとは……流石だと言えるな」
「びっくりですよ……」
「魔法も問題はないですね。 威力は強いですが。 では入学の手続きを始めます。 制服もそこで渡しますので」
「あ、はい」
「授業は明後日からになるから、その日に寮の前で待ち合わせしよう」
「はい、ありがとうございます」
こうしてボクのエトワール魔法学校への入学が決まった。
制服も渡されるみたいだし、楽しみだ。
あ、学費のこと聞いてなかった。
まぁ、いいか。
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