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第3話 声の主は校長で大賢者

本日3話目の投稿です。

「なるほど。 【ワルジール魔法学校】を退学させられたのか」


「確か、あそこは初期魔力で判断し、努力を嘲笑う風潮のある学校でしたね。 後は教師や校長のえり好みで主席が決まるのだとか」


「そうだったんですか?」


「ああ、おそらく君は当時は初期の魔力は低かったのだろう。 だから奴らに蔑まれてたんだ」


 ボクが馬車から声を掛けられた二人に、ありのまま打ち明けた。

 そして、ミーナの言うように教師や校長のえり好みで主席を選ぶ傾向にあったようだ。

 だけど、初期の魔力だけで判断されていただなんて……。


「魔力と言うのは鍛錬すれば、今の君のようになれるはずなんだ。 だが、それを見てくれる者がいなければ努力も無意味になるだろう」


「はい、実際にそうでした」


 おじさんは魔力は鍛錬すれば高い魔力を保持できると言った。

 物理系で例えるなら、剣を振ったりなど鍛錬をしっかりすれば、強くなるという事。

 だが、その努力を評価する者がいなければ、いくら努力しても意味がないのだ。

 ボクは実際にそれを経験しているから、あながち間違っちゃいない。


「あそこでは君の実力は永遠に発揮されない。 そこでだ」


 そう。

 あの【ワルジール魔法学校】に在籍したままでは確かにボクは無能なのだ。

 このおじさんの言うようにいくら頑張っても見向きもされないだろう。

 だが、この先のおじさんの言葉が気になった。


「まず、君の名前を教えてくれるかな?」


「あ、はい。 アリス・パリカールです」


「アリスか。 いい名前だ。 実は私はこういう者でね」


「え……!?」


 そう言っておじさんは、ボクに紙を差し出した。

 そこに書かれている名前と役職を見て、ボクは絶句した。


「エトワール魔法学校校長……クレス・エトワール!? あ、あの【大賢者】の……!?」


「ははは、否定はしないが、昔の話だよ。 そして、彼女は私の娘だ」


「はい、私はファナ・エトワールです。 エトワール魔法学校に在籍している生徒でもありますわ。 よろしくお願いいたします」


「あ、はい。 こちらこそ……」


 まさか、かつての【大賢者】として有名なクレス・エトワールが魔法学校を営んでいたなんて……。

 しかも当人は否定してないし、娘さんもいるし……!

 内心混乱しているボクをよそに、クレス校長はボクにこう言ってきたのだ。


「アリス・パリカール君。 私の営んでいる魔法学校に入学してみないかな?」


 まさかの入学の誘いに、ボクは固まった。

 大賢者であるクレス校長から、入学を勧められるとは思いもしなかったからだ。



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