心の中間層
できるだけ人を傷付けたくなくて
なのにこうして何かを訴えたくて
言葉を人へ向けるって事は
必ず自分の真意が
伝わるとは限らないのに
あれだけ
傷付けられたって
今もまだ苦しいんだって
喚いてきて
それなりに痛みは
理解しているはずなのに
僕はその傷付けられた過去を武器にして
言葉を凶器にして
復讐を果たそうと
しているだけなのかもしれない
心の内の表面を掬えば
同じように苦しんでいる誰かに
ここに似たような奴がいるって
知らせたくて
この弱さも傷も
負い目ばかりではないはずだって
まだ諦めるには早いんじゃないかって
自分だってまともには程遠いくせして
どの口がって思うけど
伝えたいって
それは一応根っこでも
だけど
問題なのは
その間
心の表面と底の間にある
一番幅の広い中間層で
伝えたい だけじゃない
自分でもあまり見たくない感情が
渦を巻いて流れている
伝わったなら褒められたい
大勢の人や世間に認められたい
そこから稼いで名誉も手に入れて
きっと僕の事なんか忘れてしまっているであろう
あの人たちを見返してやりたい
人に傷付けられたとふれ回って
人を傷付けたくないと聖人ぶって
一皮めくればこんなもんが流れている
どう言い繕っても僕は
復習がしたいだけか
言葉と過去を武器にして
僕の夢や希望
心の奥底にあるものは
今も変わっていない
それでも
その上に積み重なった
真っ黒い自我や欲望が多過ぎる
それでも
今、自分ができる中で一番
誰も傷付けないで 伝わる方法はって
探してるんだなんて
こんなの本当にどの口が言っているんだろう