ていくすりー
昔々ある国に野心家の将軍が居ました。国王を暗殺して権力を握り逆らう者が居なくなった将軍は贅沢を始めました。
ていくすりー
将軍「副官、私は三日連続で贅沢したぞ」
副官「何をしたのですか?」
将軍「三日連続、三食肉を食べたのだ」
副官「それはとんでもない贅沢を。私なんてスープのお替りを三杯するのが精一杯なのに」
将軍「スープ三杯だと、なんて贅沢な」
副官「とんでもない贅沢です。昔は毎日パンと肉のない豆スープ一杯だけでしたから」
将軍「そうだな肉だなんて年に一度出るかどうかだったからな」
副官「山でこっそりと野鳥や鹿、猪を狩って皆で食べるのが精一杯の贅沢でした」
将軍「これからも贅沢したいな」
副官「そうですね、でも肉にしろ豆にしろ毎日お替りするには量が足りません」
将軍「よし、増やそう。家畜を育てる牧場をふやして麦を作った後は豆を育てるようにお触れを出そう」
副官「ついでに荒れ地も開拓しましょう。予算はこの前つぶした高官の財産と不正が無くなったおかげで増えた予算から十分に出せます」
将軍「目指せ毎日肉のある生活」
副官「お替りし放題!食べ放題!」
摂政となった将軍が行った農業政策はこれまでにない画期的な物でした。麦だけ育てていた畑を麦→豆→クローバー(家畜の飼料)→放牧の4連作に切り替える事でそれまでとは比べ物にならないほどの収穫を得る事に成功したのです。
そのおかげで民たちは飢える事が無く兵隊はお替り自由と肉の有る生活で頑丈な体を作る事が出来近隣諸国を圧倒する精強な軍を手に入れる事に成功したのです。
周りの国々は将軍を彼の操る軍団を恐れて攻め入る事はせず国は戦争とは無縁の平和な日々を過ごす事が出来ました。




