-94- 妨害と協力
暮らしの中で個人的な行動がスンナリいくかどうかは、その時々の目に見えない影響力で定まる。目に見えない影響力・・これは昔風に例えれば、その個人の軍勢の力である。いくらお金を持っていても、そのお金がすぐ無くなってしまうような不確かなお金であれば、これはもう、烏合の衆とでもいう軍勢で、力としてはまったく頼りにならない・・ということだ。おそらくは、桶狭間の戦いのように惨敗するに違いなく、討ち取られることも当然、覚悟しなければならない。要は、コトを果たせず、ほうほうの態で目的も果たせないまま撤退を余儀なくさせられる・・ということだ。コトが上手くいく場合は協力で、その反対が妨害である。どちらも見えない雰囲気という力だから、私達では及ばない。人はその力を神や仏などに例えてお願いするのである。多くの人々がお願いするのだから、お願いされる方は堪ったものではない。『ファ~~ッ! はいっ! 次の方っ!』くらいの等閑な気分にはなることだろう。
とある駅の売店である。一人の男が、いつもの列車から下り、立ち食い蕎麦屋へ入った。
「いつもの…」
「はい…」
常連客なのか、ツゥ~と言えばカァ~の間合いで、蕎麦屋の主人は天麩羅蕎麦を準備し出した。双方とも乗り継ぎ時間が15分ばかり・・ということはよく理解できているから、見えない影響力も協力する。と、そこへ一人の一見客が現れ、注文した。
「かけ蕎麦!」
「すみませんっ! 少しお待ちをっ!」
さあ、協力と妨害の鬩ぎ合いが始まった。 主人は常連客に協力し、一見客をヤンワリと妨害した。ヤンワリは力強い。
「ああ、そう…」
一見客は待たざるを得なくなり、敗走を余儀なくされたのである。
まあ、こういう具合に世の中の暮らしは続いているのである。^^
完




