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-52- いい風
心地よく風が頬を撫でれば、誰しも気分いいものだが、いい風は、なにも気候に限って吹くものではない。
とある商店街の二人の店主が自然公園で話している。
「どうですか? 最近はっ」
「どうもこうもありません。鳴かず飛ばずで…」
「ははは…枝で止まって、ジィ~~っとしている訳ですなっ?」
「ははは…そのとおりです」
「私とこもそうです。なかなか、いい風が吹いてくれません」
「今日はいい風が吹いとるんですがな」
「確かに…。なにか吹くようないい手はないもんですかな?」
「ははは…。あれば、国がやっとるでしょう」
「それもそうです…。薬剤を空から撒いて雨は降らせられるんでしょ?」
「ああ、そのようですな。人口雲・・とかでしょ?」
「ええ。ははは…風は流石に無理ですか?」
「ははは…でしょうなっ!」
今ひとつの二人は思わず微かに揺れる木々の梢を見上げた。そのとき、いい風が二人の頬を擽った。
いい風が吹くタイミングは誰にも分からない。^^
完




