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-30- 弱い者いじめ

 春の大型連休が終わり、ちまたでは税金の納付のうふが本格化する、人々にとってはみじめなシーズンをむかえていた。

 コンビニで納税を終えた鰯雲いわしぐもは季節に合わないような浮かぬ顔、正確に言えば組織的で高度な国家的振り込め詐欺さぎに振り込んだような顔で店を出た。内心には、一年前、軽自動車税が¥7,200から¥12,900に大幅アップされた怒りが渦巻いていた。そして今年も、鰯雲としては大金の¥12,900を振り込み、コンビニを出たのである。そこでバッタリと遭遇そうぐうしたのが近所の桃花ももかだ。桃花は季節に合った陽気な顔で鰯雲に声をかけた。

「どうされました、鰯雲さん? 浮かぬ顔で?」

「税金ですよ、税金っ!」

「ああ、税金ですか…。それが何か?」

「何かもカニかもありませんよっ!!」

 カニは美味うまいなぁ…と思いながらも、鰯雲の怒りは燃えさかほのおのように益々(ますます)、増幅ぞうふくされていった。

「…どういうことですっ?」

「弱い者いじめの¥5,700アップですよっ!!」

「はあ…。何がっ?」

「軽自動車税ですよっ!! 累進課税るいしんかぜいの税率、なんとかならんのですかねぇ~!」

「…どういうことですっ?」

 桃花は、ふたたび、どういうことですっ? を繰り返した。

「せめて、私ら年間所得が¥200万以下の者は税率を低くして欲しいってことです。¥500万以上の徴収ちょうしゅう出来る所帯、あるでしょ!?」

「ええまあ、あるでしょうが、私に言われても…」

「でしょ!!?」

「はあ…」

「なんとかなりませんかっ!!?」

「私に言われても…」

 桃花は、ふたたび、私に言われても…を繰り返した。

 弱い者いじめは続いていくようだ。  


                   完

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