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-22- 長閑(のどか)さ

 どんどんと時代が進んでいくと、小忙こぜわしさが増すのは不思議だ。確かに便利になったり生活水準が高くなったりするメリットはあるが、長閑のどかさが消えたり悪い事件が増えたり・・と当然、デメリットも増える。取り分け、ゆったり感がなくなるのは困りものである。

とある喫茶店で語り合う二人の老人の会話である。

「あの頃はよかったですねぇ~川桃かわももさん」

「そうそう、そうでしたな、浦島うらしまさん。ゆったりした長閑さがありました」

「貧しかったですがな…」

「はい! 子供の頃は鉄屑てつくずや銅線を拾い集めて売ってましたよ」

「そうでしたな…。竿秤さおばかりはかってもらってね」

「そうでした…。日曜の朝は神社をいたあと、お寺を掃いて…」

「そうそう! それから子供会でした」

「車も通りませんでしたな…」

「ははは…あの頃は車なんて高嶺たかねの花でしたよ」

「せいぜい、自転車でした…」

「しかし、長閑さが、たっぷりありました」

「そうそう! 時間には追われなかったですなぁ~。遊び道具ものんびりと作れました」

「はい…。不便でも長閑さがあれば、いいのかも知れませんな」

「ははは…だいいち、人が暮らしの中でルーズになりません。自分で考え、自分でするしかないですからなっ!」

「それは言えるっ!」

「工夫して物を活用しますっ! ですから当然、頭を使いますっ!」

「そうなると、工夫することが楽しくなりますっ!」

「そうそう! 結局、長閑さのある生活が一番・・ということですかっ?」

「まあ、そういうことでしょうなっ!」

 二人はウダウダと5時間ばかり話し合った挙句、ようやく溜飲りゅういんを下げたのか、残ったコーヒーをすすり、重い腰を上げた。

 どうも、暮らしやすくするために小忙しく文明を進めるだけが人類にとっての得策とくさくではないようである。長閑さ・・がある暮らし・・これが一番! なのかも知れない。^^


                   完

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