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一般人の場合

俺はカイト。高校二年生。

今日から稼働するこの新しいゲーム イグノアシス ヴァイスオンラインで最強のプレイヤーになってやるんだ!


勿論友達も一緒にプレイする。


友達のタケルはゲームがそんな得意じゃないんだけど、俺の必死の説得に負けて買ってしまった。ちょっと申し訳ない気持ちもあるけど、その分めちゃくちゃ一緒に楽しむつもりだ。


あと、女友達のリオ。こいつは万能タイプ。しかも頭は天才。なんでこんなゲームやる気になったのかよく分からないんだけど、俺が勧めたらかなりやる気になってたみたい。よくわからん。


あと、、、これはちょっとアレなんだけど、俺の好きなサユリ、もゲームをやるらしい。リオから説得されてみんなでやろうってことになった。俺はあわよくばこのゲームでサユリと距離を近づけられたらなって思う。


今日はこの4人でゲームを進める。

俺以外の3人はじっくり町並みとか楽しみたいっていってるから、俺もそれに合わせて最初はそうするつもり。ホントはスタートダッシュ切って1人でもモンスターを倒しに行きたいけど……でも、今回は俺が頼んでみんなでプレイするから、みんなで楽しむことを優先したいって思うんだ。


家に着いたらゲームをすぐ始めるぞ!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ゲームを始めた。最初にキャラクリがあるらしい。


見た目の多少の変更とステータスの振り分け、スキルの振り分けか。事前情報通りだ。みんなはよく分からないからオートマモードでやるみたいだ。オートマモードでやると、自分に合ったスキルとかが自動で手に入るみたい。


「でもそんなんで暗殺スキルとか手に入ったらやだもんなー笑」


だから俺はちょっと時間をかけて自分で設定する。その間みんなは適当に遊んでもらうことになってる。まぁ、最初から街の探索だしな。あんまり変わりはない。


さてと、設定し終わった。こんな感じか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:カイ

性別:男

身長:176

体重:58

年齢:17


HP:200

SP:100


体力:20

耐力:15

精神:10

魔法適性:15

瞬発力:20

器用:10


スキル

:騎士の守り 仲間をかばいダメージを代わりに受ける

:一撃の誇り 強化された攻撃をSPを払い放つ


BP:50→0


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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「おお、綺麗だ」


早速ログインしてみると、中世ヨーロッパ風の町並みが目に入ってきた。

ここは始まりの街ホロハラムというらしい。


「まずはあいつらに合わないとな」


仲のいい3人との待ち合わせ場所に向かう。

広場の噴水前だったよな。


それにしても本当によく作り込まれてる。

多くのNPCが暮らしてるとは聞いたが……ほとんどプレイヤーと見分けがつかないじゃないか。

彼らと争うのは心理的に抵抗がありそうだ。




「……?いないな……」


辺りを見渡すが3人はいない。


このゲームではフレンド登録していないと場所が分からない。フレンド登録さえしてれば同じエリア限定でチャットができるんだが……おかしいな。

もうとっくに約束の時間は過ぎてる。


……まさかあいつらに何かあったんじゃないか。


心配になってきた。1回ログアウトして現実から連絡を取ってみるのもありかもな。そう思ってると声をかけてくる奴がいた。


タケルだ。



「カ、カイト?」


「タケル!遅かったじゃないか!……一体どうしたんだその格好?」


タケルの装備はみすぼらしいものになっていた。

これは恐らく、着る服がない時にでも選べるようになってる布のボロ服。初期セットの服や剣はどこにも見当たらなかった。


「一体なんなんだ?それと、あいつらが見当たらないけど、街にいるのか?」


そう、ここに来たのはタケル1人。どこを探しても残りのふたりが見当たらない。


「ふたりは一旦ログアウトしてるよ……ちょっとショックだったみたい」


「……一体何があったんだ」


「PKされて全部奪われたんだ……親切なNPCかと思って着いて行ったら振り向いた瞬間殺された。多分、プレイヤーだと思う。2人は突然後ろから殺されたのがショックだったみたいで……」


血が沸騰するような怒りを感じた。スタートダッシュでそんなプレイを迷いなくする奴がいるなんて……同じ人間とは思えなかった。


「3人同時にやられるほど強かったのか?」


「いや、違うんだ。最初は3人で移動してたんだけど、カイトが来るまでの間の短い時間だけお互いの好きなものでも見ようかってことになって、それで……」


「まさか、全員別々に行動してて殺されたってことか?」


「……うん。傭兵ギルドに駆け込んだんだけど証拠が少なすぎて相手にされなかった。それとこの話をスレッドにも書き込んだんだけど、他に同じような目にあった人はいないみたいだったから。」


……なんで俺たちがこんな目に。犯人はわざわざ俺たちを付け回して殺したんだ。絶対許さねぇ。




「後のふたりはとりあえず今日は休むってさ。僕もそうしようかな。カイトはどうする?」


「……とりあえず、もうちょっとだけプレイしてみるよ。まだ3人と違って何にもしてないからな。」


「そっか。うん、楽しんできて。あっ!あと黒のフードかぶったNPCには注意してね、僕らは全員そいつに殺されたんだ。」


「おう、気をつけるよ。」


俺の目標は決まった。そいつをぶちのめす事だ!



ー この日からカイトは少しずつネジ曲がっていくこととなる。 ー

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