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第3話
「にゃー」
思わずため息がもれた。
僕のご主人は、このカフェのマスター。
マスターは僕たち猫には言葉がわからないと思っている。
だけど、人間の言葉を理解することは出来る。
マスターは最近、カフェの常連さんに恋してる。
明らかにわかる。
そして、その女性もマスターに気があるようだ。
なのに、マスターは彼女に告白せず黙っている。
告白すればいいのに。
そして、今日もマスターに相談される。
「なぁ、雪?俺はどうしたらいいんだ?」
ため息が出ちゃう。
告白すればいいのに……。
僕だって、彼女が好き。
マスターと同じくらい優しい。
遊んでくれる。
だけど、恋愛の好きとは違うし、そもそも、人間と動物。
僕の好きな二人が付き合えばいいと思う。
そんなある日、彼女がやってきた。
だけど、いつもと様子が何だか違う……?