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第2話
今日は来ないのだろうか?
あの可愛らしい女性は……。
1年くらい前から、可愛らしい女性がこのカフェに来るようになった。
猫たちとじやれている時の彼女は、可愛い。兎に角、可愛い。
彼女の笑顔は眩しい程で、太陽のよう。
彼女は大学生なのだろうか?
参考書を広げ、なにやら真剣にやっている事が多い。
32歳にもなって、女性を可愛いと思う日が来るとは……恋心を抱く日が来るとは思わなかった。
それも、年下の女性に。
初めは親心かと思った。
しかし、親心よりも恋心の方がしっくりきた。
32歳になっての初恋。
それも、年下の女性に。
恋心を自覚したはいいが、彼女の事を何も知らない。
年齢も名前も学生なのかどうかも…彼氏がいるのかも……何も知らない。
ただ、一つだけ知っていることは、猫が好きということ。
「なぁ、雪?俺はどうしたらいいんだ?」
猫の雪を抱き上げ、話しかけてしまう俺は、相当参っているのかもしれない……。