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star light

外に出ると、パーク内のスタッフたちが避難を呼びかけていた。しかし、緊急性が伝わらないのか、半信半疑な顔で笑う者たちもいる。


 リザが建物の出口から少し離れた場所で、詠唱を行っているのが見えた。

遊園地の客たちが、周りからリザを物珍しそうに眺めている。


「何、これなんかのイベント?」


「すっごいキレイな人だから、映画の撮影かもよ。ここよく使われるし」


幽霊城前という場所のせいか、どうやら何かのイベントや撮影と勘違いしているらしい。


「オイ、何をしてる! 早く逃げろ!」


リザの近くに走り寄り、周りの観衆を怒鳴りつけた。


「おお、迫真の演技だ!」


観衆たちの間で笑いが生まれる。

くそっ、能天気な連中め!

しかし観衆たちの笑い声は、城の扉が吹き飛ばされた轟音でかき消される事となった。 


「な、なんだ……」

「ば、爆発?」

「ちょっと、やりすぎなんじゃない……?」


普通じゃない状況をを感じ始めたのか、観衆たちがどよめき出した。

広場のざわめきの中、暗闇の門から、巨獣と不死の王が姿を現す。


「お、おお……すごい凝ってるな、これ」


化け物たちの近くにいた若い男が、不用意に不死の王に近付く。


「馬鹿!! よせ!!」


俺の叫びも虚しく、男は不死の王に顔面を掴まれ、苦悶の叫び声を上げながら、先ほどのゾンビのような化け物に変わっていく。


もはや化け物となった男から手を離すと、今度は周りにいた観衆に黒炎を伸ばし、次々にゾンビもどきを増やし始めた。


「早く逃げろっっっ!!」


先ほどより強く、辺り一帯に響き渡る声で叫んだ。


「う、うああああああっっ―――!!」


「きゃあああああああっっ―――!!」


ようやく状況を理解した観客たちが、一転してパニックとなり、算を乱して逃げ始めた。


「まだか、リザ!?」


「……千億の星の輝き 遙か彼方より舞い降りし光……」 


リザは額に汗を浮かべながら詠唱を続けていた。


巨獣が牙をむくと、群衆のパニックは加速した。

辺り一面が狂乱状態になり、誰かに押し飛ばされた幼い女児が地面に倒れる。


「女の子が!」


遙が悲痛な叫び声を上げると同時に、俺は剣を握り女児の救出に向かった。

巨獣は女児の前で止まると、その大木のような腕を振り上げる。


女児はただ恐怖に身をすくませ、大きく目を見開く。

女児を狙う巨獣の頭部に、遥の放った大気の砲弾が炸裂し、巨獣の動きが一瞬止まった。


だが、更に巨獣の後ろから伸びた、不死の王の腕が女児に襲い掛かかろうとしていた。


「はぁぁぁ―――っ!!」


女児の近くにたどり着き、不死の王の腕を薙ぎ払い、女児の身体を抱き上げてその場から離れる。


――その時、リザの方から光が煌いた。


「天空の星々よ! 我ここに願わん! すべての邪を打ち砕く 裁きの光を!!」



『 破邪星光聖覇撃 (スターダスト・バニッシュメント)!! 』


 リザの手から放たれた光が天空に拡散し、夜空が一瞬光で照らされ、天空から集まった眩い光が不死の王を中心に降り注ぐ。


グオオオオ―――――――――!!


天にまで届く光の柱の中で、不死の王の身体が断末魔を上げながら消え去っていく。

逃げていた群衆も、その威力と光景の凄まじさに目を奪われ、立ち止まって絶句している。


光がすべて天にまで昇って消えた時、不死の王と巨獣の姿はすでにそこにはなく、化け物と化していた人々の身体にも生気が戻っていた。



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