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girls' fight

家の玄関を開くと、リザがすでに立っていた。


「おかえりなさいませ。お待ちしておりました」


リザが恭しくお辞儀をして出迎える。

遙の顔が引きつっているように見えるのは、きっと気のせいだろう。

それより、待っていたという事は、リザの方も話があるのだろうか。


「先ほどはどうもありがとうございました」


遙もリザに向かって一礼する。

こいつも何だかんだで、こういう所は礼儀正しい。


「いえ、お二人の力あっての結果です。私は、ほんの少し助力したに過ぎません」


謙虚な奴だ。

実際はリザがいなかったら、きっと悲惨な状況になっていたに違いないが。


「まぁ立ち話もなんだから、リビングで話そうぜ」


 靴を脱いで玄関に上がると、遙もその後に続く。

リビングに入ると、遥とリザが面と向かい合ってダイニングテーブルの椅子に座る。


「えっと、お茶でいいか?」


「お構いなく」


ツン、とそっぽをむく遥。……どうやらご機嫌斜めのようだ。


「私がお入れします」


そう言ってリザが席を立つ。


「むぅー! じゃあ私は、お茶菓子を用意するわ!」


張り合うなよ……。


テーブルにお茶と菓子が並べられ、再びリザと遥は面となって向かい合う。

俺もリザと話がしやすいように、遙の横に座る。


話の出だしは、遙から始まった。


「あのリザさん……って、あの竜……がいた世界から来られたんですよね。それでどうして、日本のコイツのトコなんかに?」


コイツのトコなんかで悪かったな。


「神占術に従った結果です」


「シンセンジュツ?」


遙が首を傾げる。


「占いを行う占術と、神の力を行使する神聖術を組み合わせたものです。それによって、セナさんとお会いした場所に行くように、神から神託を賜りました」


「そこに俺がいたというわけか。俺たちが神具を受け取った神託とは、話が別なのか」


「はい。あそこへ行ったのは、私個人の術による占いの結果です。お二人が承った神託とは別のものです」


「セナと出会った経緯はわかったわ。でもそれで、どうしてセナの家に、と、泊まっているのかしら?」

顔を真っ赤にしながら遥が尋ねる。


「すみません……。私がどうしても願いを聞いて頂きたく、このように家まで押しかける形になってしまいました。……申し訳ありません」


リザが本当に申し訳なさそうに頭を下げる。


「うっ……」


 真摯な態度で頭を下げられ、遙が言葉を失う。


「で、でも、リザさんの所じゃ知らないけど、こ、この国じゃ男女が一つ屋根の下で暮らすという事は……あの、その、あの……」


 言いにくそうに口籠る遙。


「ご迷惑であれば、すぐにでも出て行きます」


迷いのない凛とした声に、遙の動きが止まる。


「私にとって大事な事は、お二人に力を貸していただく事です。その願いさえ聞いていただけるのであれば、私が住む所などどこであろうと構いません」


真剣な表情で遥を見つめるリザ。

その瞳に心を奪われたかのように、遙は沈黙する。

 見つめ合う遥とリザを中心に、リビングが静まり返る。


「い、いや……俺は別に迷惑じゃないし、親父に連絡したら、何か知らんけど喜んでたよ。……それに、お前のおかげで、今日はみんな危ない所を助けられたんだ。……そんな恩人を追い出すなんてできねーよ」


「……そう言って頂けるのでしたら……」


そう言うと、リザは目を伏せた。

遙の方はと見ると、顔を真っ赤にして黙っている。


…………なんだか……すごい……居づらい……。

二人とも黙ってしまって、空気が重い。流れ的になんとなく、席も立ちづらい。


……正直困った。

その時ポケットの中の携帯が鳴った。画面を見ると坂田からだった。

まさに渡りに船。


「悪い。ちょっと電話してくる」


極めて自然に席を立って、廊下に出た。

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