少女の海
元々前話とセットだったのですが、長かったので分割しました。
二つで一つのお話(タイトルだけ)です。
神が言うには、ここは私の世界であるらしい。ここに何も無いことには意味があるとか。
「この空間は君そのものだ。君を構成する物がここにある。そして、今ここには割り込んで入っている僕とパジャマ姿の君以外、何も無い」
私はパジャマでできている!!
「どういう事?」
「ほら、今の私があるのはなんとかさんのおかげだーとかあるじゃないか。今の君にはそれが無いんだ。両親でさえ君を構成する要素足り得ていない」
「つまり・・・寂しい人間だと?」
「そうだよ。君は今身体は子供、精神は大人状態だ。素直にはしゃげない子供は寂しいものじゃないか?実際、君は両親に対して十分甘えることが出来ていない。証拠はこの世界そのものだ」
確かに、確かにその通りだ。私は新しい生活を受け入れきれていなかった。
「僕は全能だからね。そうなる事を知っていた。だから君にも加護を与えたんだ」
-『海の加護』をね。
「海?」
どういう事?
「『孤独』の対義語。君の元の世界では『連帯』らしいよ?」
「『連帯』?何で?孤独は心が感じているもの?だからせめて『結束』とか『友情』とかじゃないかな?」
「そうか、君も『連帯』はしっくり来ないんだろう?かつて君と同様にそう思った人間がいたんだ」
「その答えが『海』なの?」
「そうだよ。海は何もかもを包み込む。孤独というのは大概感じる本人が原因だ。本人が周りを精神的に遠ざけているのだからね。故に、孤独ではなくなるための最初の一歩は、他の存在を『受け入れる』事、それがーーー」
「『海』そのものという事?」
「そうだ。海は何もかもを受け入れる」
てっつがくー。
「海の加護は、転生者、転移者、どちらにとっても重要な加護だ。しかし、魂に直接作用するからね。不快感もあるし、いずれ外れてしまう。君は既にこの世界を受け入れたけれど、受け入れる前に加護が外れてしまうと、それまで加護により強制的に学んだ事柄は魔法を含めて全て身に付かない。歩く事の様に魔法を使う者しかいないこの世界で、魔法を使えないというのは大きな痛手だ」
「この世界で孤独にならないための加護という事だね」
「そういうことさ」
世界に光が差し込んで来る。はじめに見えたのは・・・
タイトルがコロコロ変わってすみません。
許してください。お願いです。何でもはしませんけど面白くしますから!実力の限り!