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異世界の運動方程式  作者: 見開き7頁
1章 加速器のビームの向こうで
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幼女の孤独、

 気が付くと、私は心地よい酩酊感と共に何所かを漂っていた。周りには何もなく、どこまでも遠くが見渡せそうな闇の世界だった。

「寂しいところだ」

 ふと、そう思った。何かがないかと改めて周りを見わたしたが、やはり何も無い。

「ここは何処?まさかまた転生?」

 ・・・返事は誰からも返ってこない。神的な存在は居ない、つまり転生ではない・・・のかな?

 周りに何も情報が無いので今度は内側に話を聞いてみる。何かいつもと違うことはないか・・・?どこかに違和感が無いか・・・?としばらく探していると、違和感を見つけた。いつもより胸に力が満ちているような気がする。

「これは・・・・・・・・・・・・魔力?」

 胸の違和感が魔力だと認識した瞬間、彼女はさっきまで自分が置かれていた状況を思い出した。しかし、既に、ミヤフィの心から魔力への恐怖感は完全に消え去っていた。ただし、思う事はある。

「身体は女の子(ようじょ)でも心は男で大人、だと思っていたけど、さっきの私は完全に女の子だったな。・・・いつの間にか自然に男言葉が消えてるし。身体の強制力の影響?・・・いや、違うな。」

 さっきの気絶直前?気絶で済んだかは分からないけど、から、身体の強制力発動時に感じていた力が分かるようになっていた。かつては小さい身体はそういうものだと思っていたが、今ではそれは明らかに魔力だと分かる。その魔力のソースが自分ではないということも。そして、

「この魔力、消えかかってる。なんでかな?時限制?それとも、私が魔力を分かるまで待っててくれたのかな?」

 ミヤフィは色々と考察するが、答えは出ない。三角形についての情報が二つしかないときには全要素を求めることができないように、情報が決定的に足りない。考えている間にも魔力の縮小は進む。

「これが無くなると、リスクは・・・今後社会で不自然になるようなことがあっても修正されなくなる事。メリットは・・・自由に行動できる事。まあ、どの道止める方法は知らない。まあ、今までお世話になったね。ありがとう」

 身体の強制力が無かったら真っ当に成長できなかったかも知れない事を考えると、感謝の念が湧く。


 魔力が消える。


「その言葉を待っていた!!!!」

 -やっと魔力切れか。

 突然背後から聞こえてきた声。聞き覚えがある。

「この世界の神!!せっかくしんみりしてたのに!!やっぱりここは神の世界だったのか!」

 本当にその言葉を待っていたかのようなタイミングで出てきたな!魔力が尽きてから出てきたのはバレバレなんだぞ!

 ・・・あれ?心を読まれない?

「何か言ってよ。ここでは君の心は読めないんだ。僕の空間じゃないからね」

「言葉を待ってたんじゃなくて魔力切れで出てきただけだろ!」

 -ギクッ

「そんなことないよ?か、神は全能だからね。・・・そんな事より、今のでわかった通り、ここは君、ミヤフィ=ダールグリュンの世界だ。ここでは君は僕の考えを読める。」

 -魔法を使えば本当に隠したいことは隠せるがね。

「筒抜けじゃないか」

 さっきから聞こえる声は心の声だったのか。

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