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異世界の運動方程式  作者: 見開き7頁
1章 加速器のビームの向こうで
3/66

噛みました

12/28改稿。

 お尻を引っ叩かれてから二日間。

 お腹が減ったら泣いて、目の前に胸が曝け出される。飲む。排泄をしたくなったらする。そして泣いてオムツを変えてもらう。などなど、赤ちゃんがすることを何の疑問も持たずに繰り返していた。

 そして三日目、僕こと黒野雅は意識を取り戻した。

 実際は二日間意識はあったのだが、意思の方向性が勝手に赤ちゃんっぽい行動をする方に向かっていた。

(はあ・・・この歳になってお漏らしとは・・・身体の年齢が生後3日で、なおかつ身体が勝手に動くとはいえ、精神的にはショックだわ・・・)

・・・というわけで、二日間の出来事、特におもらしにショックを受けている訳で。ママのお胸が小さかったことには対したショックは受けていない。男の子だもん。お胸は必要ないよね。






 恐らく十ヶ月前 



神(笑)からの転生宣告の直後、もし生きていたらの話をされ後悔をしているのに意味がないと気付いたのは別の場所に転移した後だった。今度は神社のような場所にいきなり突っ立っていた。だがイスとテーブルがあり、僕はそこに座っていた。


「喋り終わった瞬間に僕を送るとかやっぱ偽物か? あいつボロが出る前に飛ばしたな」

 喋るとふと口元が寂しい事に気づく。さっきまでみかん食べてたしな。

 ではここでもみかんを出せるのか?といえば・・・


 ポンと出来た。この世界チョロいな。みかん美味しい。・・・とリアクションする筈だったのだが。

「さーて食べよ・・・なんだこれ!みかん大きい!」

 みかんがでかい。大きさはちゃんと指定した筈なのだが。


「何かの間違いか?」

 今度は半径四センチメートルとしっかり指定してみかんを出したが、やはりでかい。つまり僕が小さい。なんでやねん!


「それは君が転生して赤ん坊からやり直すからだ。ミヤビ=クロノ君。いや、ミヤフィ=ダールグリュンちゃん。君転生の意味を間違えてないか?っていうか間違えてたよね。見てたよ」

 確かに。あんまり考えて無かったわ。「異世界」で頭がいっぱいだったよ。

 転生と召喚を間違えてたとはどういう・・・転生だと赤ちゃんからやり直しなのか? あ、そうか、だから身体が小さいと。納得だ。

 ・・・それより、今僕のことをミヤビダールグリュンって呼ばなかった?いや、ミヤフィダールグリュン? それにこいつ誰だ?また神か?


「さて、じゃあ転生するにあたっての注意事項だ」

 こいつも心を読める事ははっきりしているが、スルーされた!

 そして物々しくおっしゃり始めた。禁止事項とかがあるのだろうか。というか名乗れよ!


「あ、ごめん。自己紹介を忘れてた」

 あんたがテヘペロしても可愛くねえよ。それに神は思考を読まないと生きていけないのか?


「私は神だ! もっとわかりやすく言えば、君の転生する世界の神だ!」

「前例があるから分かりやすいな。つまり既に僕は世界を移動したって事なんだな」

 またスルーされたけど。

「そういう事だね。物分りが良くて助かるよ。では、説明を続けよう」

 老舗の伝統、チャフ度止めろ。急にしても意味ないって一番言われてるからそれ。


「君は前世よりも素晴らしい才能を持つことになる。これは異世界から来た魂に必ず起こることだ。具体的には才能が一つないしは二つ三つ付け足される。人生二回分の才能の持ち主ってやつだ。種類は身体系、魔法系、感覚系の三つに分かれているとかつての転生者や転移者は思っていたようだ。これは生まれる家柄に左右されるからどんな才能かは分からないが役に立つだろう」

 ほうほう、才能が増えるとな。新しい人生の楽しみだな。


「そういえば、僕の名前は変わるのか?どうしてだ?」

「生まれ直して名前が変わるなんて当たり前だろ。親が名付けるんだから。それに君は名前が前世に似てるから運がいい方だぞ。かつてポケモンの名を名付けられて死にたくなったのが結構いた。そのうち二割は自殺してる」

 因みにそのうち九割はポケモン廃人らしい。前世で強く印象に残っていた名前になるんだと。でもミヤフィて。噛んでるやん。確かに当時は三日三晩思い出し笑いが酷かったけど。思い出したら笑えてきた。一画面草で埋まりそうなくらい面白かった。


「では、言うこと言ったし早く行ってもらおうかな。面倒くさいし。お仕事しゅーりょー! ミヤフィ、いい人生を! あといくつか加護をあげるね!」

 ぱっぱと神の手から出た光が何個か僕の体の中に入ってきた。


「はあ!? 思い出したように重要なこと言うのやめろ!!」

 光が辺りを飲み込み、世界が真っ白になった。突っ込みはぎりぎり間に合わなかった。

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