大人
日に日に短くなっていく……
昨日は覚悟を決めたとはいえ、あんなことがあった後なのでなかなか眠れなかった。眠ろうとすると子供たちのことが浮かんでしまうのだ。だが、これからのことを考えるとそんなことを考えている暇じゃなかった。
翌朝、サポーターと話し合った結果もう少ししたらあの子達の親などがここに来るのではないかという話しになった。そこで、対策としてサポーターが提案したのは
「スケルトンを作ってはいかがでしょうか」
「スケルトン?」
「はい、スケルトンは本来ポイントも高めなのですが、骨さえあれば安く作れるのです。昨日の子供の骨を使って作りましょう」
「ポイントっていくつくらい使うの?」
「本来ならば500ポイント必要なのですが、骨があれば100ポイントで作れます。子供の骨なので4人合わせて2体分くらいでしょうか。たぶん創生条件を既に満たしていると思いますが」
本を見ると満たしていた。どうやら寝ている間に満たしたらしい。寝ている間はアナウンスを流さないとはやるじゃないか。
「あ……」
「どうされましたか?」
「帯電鼠が進化してる!」
さっそく帯電鼠を呼んだ。見ると体は前より一回り大きくなったようだ。姿は普通の鼠なのだが、常にバチバチと毛に電気を纏っている。名前を見ると雷鼠になっていた。ステータスを見てみる。
雷鼠 Lv1
HP80 MP20
<スキル> 電流操作Lv3 帯電 電光石火
電光石火……一瞬だけ目にも止まらぬスピードで動くことができる 消費MP10
初めてのMPを消費するスキルだ。しかも、電流操作のレベルも上がっている。ただ、このように進化していたのは一匹だけで、もう一匹は進化していなかった。ただ、進化の兆しはあるようだ。もうすぐということだろう。
そして、次にスケルトンも作った。残りポイントは275ポイントとかなりきつい。雷鼠については普通に作ることもできるようになったが、600pだったので先送りだ。
スケルトン Lv1
HP120 MP0
<スキル>
スケルトンはスキルが無いが、変わりにHPがとても高かった。サポーター曰く、電気もあまり通さないようなので戦闘に出しても問題ないだろう。
あまり話題に出ない蜘蛛だが、こいつらも結構仕事をしていた。今は四匹になっている。ダンジョン内は入り口を除いて蜘蛛の巣だらけだ。しかも、燃やされても被害が広がらないように少しづつ間隔を開けて配置させてる。
『侵入者が現れました』
侵入者を知らせるブザーが鳴る。入り口のほうを見てみると大人が数人いた。あの子達を探しに来たのだろう。俺は魔物達にすぐに命令を出して迎撃体制に入る。相手は前と違って大人だ。油断は禁物だと自分に言い聞かせながら、魔物に次の命令をした。