罪
短いですが書けましたので投稿します
さて、子供たちを捕獲しました。鼠を向かわせて直接電流を流して回収済みです。この子達をどうにかしなきゃいけないわけだけどまだそこまでの覚悟がない。これは困った。とりあえず、ポイントを確認してみると子供4人で600ポイント、捕獲ボーナスで200ポイント入っていた。早速サポーターを出そう。
「サポーター召喚!」
はい、言ってみただけです。すみません。サポーターが召喚されていく。と、同時にステータスも見れるようになった。サポーターさんは真っ白な髪、整った顔、所々朽ちている身体……。
「ゾンビじゃん!」
しかも、男だった。イケメンゾンビ……こういうところはたいてい美女が出てくるところなんじゃないの?あ、今俺が女だからか?
サポーター(ゾンビ)
HP─ MP─
<スキル> サポーター
サポーター……ダンジョンに関するあらゆる知識を持つ
「呼んでいただきありがとうございます、ご主人様」
従順なのかな?まあ、それはどうでもいいとして
「あー早速だけどアドバイス貰いたいんだけどいいかな?」
「はい、何でもお聞きください」
「子供たち捕まえたんだけど、どうすればいいと思う?」
できればあまり非道なことはしたくない。その意思が伝わったか伝わらなかったかは分からないがサポーターは少しだけ微笑んで
「では、蜘蛛や鼠の餌にしましょう」
「……可哀相だよ!」
「他に、手段があるとお思いで?僭越ながらこのダンジョンの状態や残りのポイントなどは召喚時に見させてもらいました。もう少しポイントがあればまだやりようはあったかもしれませんが、現状では不可能です。それに餌にすればポイントをかけずに魔物を強化することができます」
「でも……」
「確かに最終決定権はあなたにありますが、今回を見逃してどうするんですか?一般人が迷いこんだらすぐに追い返すのですか?そんなことをしていたら確実にこのダンジョンは落とされます。助けた一般人が冒険者などを呼ぶことによって。このダンジョンではせいぜい初心者相手が精一杯でしょう」
確かにそれはそうだ。迷いこんだだけ、なんとなく入っただけ。そんな人達を帰していたら、何時か確実に殺される。ダンジョンマスターとはそういう存在なのだ。覚悟を決めるしかないか……。
「じゃ、じゃあどの魔物に食べさせるのがいい?」
「そうですね……帯電鼠なら戦闘経験があるのでもしかしたら進化するかもしれません」
帯電鼠か。うん、それで行こうかな。でも、流石に自分でやるのは忍びなかったのでサポーターにやらせた。目に見えない場所でやってきてとお願いして。
サポーターが戻ってきた。ところどころ血で汚れている。
「ありがとう、それとこれからは私のことはシュトラーフェって呼んでね」
「シュトラーフェ……様ですか?」
「そう、ドイツ語で罪や制裁って意味。こんなことをしてしまったけれど間違ったこととは思っていない。けれど、このことは常に心の内に留めておかなければならないと思って」
忘れるのは簡単だ。だが、自分が生きるためだと言っても忘れちゃいけないものはあると思う。そのことを自分にしっかり刻むために自分の名前を考えた。これで罪滅ぼしになるとは思わないけれどこれからもこういう決断はしなければいけないときが来ると思っての選択だ。
「すばらしいお名前だと思います、シュトラーフェ様」
こうしてダンジョンが開放されてからの一日目が終わった。
本には検索機能もあります。ドイツ語はそこで調べました