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第四話 挨拶

翌日。



最初に会ったあの美形さんはアレク・スタンダードというらしい。


アレクと呼んでくださいと言われたからこれからはアレクと呼ぼうと思う!


優しいぞ、アレクさん!


俺に名前を呼ばせてくれるなんて…


前世じゃ名前も呼ばされくれなかったんだぜ!?


名前呼ぶなブスとか言われたし(近所の嫉妬深い男子たち)。



で、そのアレクさんが目覚めたことを魔族たちに報告してほしいらしい。



ふむ、俺って2000年も眠ってたことになってるんだもんな。


…でもチキンな俺には無理だぁぁああああ!!


だって魔族って何十万どころじゃない、何億もいるんだぞ!?


そんな魔族たちが見てる中俺が話さないといけないなんて…!



…どうしよう。


何言えばいいんだよ…。


なんかいきなりアレクさんに時間ですって言われて広すぎるバルコニーに連れてかれた。


しかも下には魔族たち。



怖っ!


お、鬼とかいるし!


あ、鬼って言っても人間より大きくて頭から角が生えてるだけで、全身真っ赤とか全身真っ青というわけじゃない。


それにうるさい!



俺が少し気になって下を見るために前に出た瞬間絶叫。


耳が壊れるー!



「静まれ」



…やっちまった。


俺が言った瞬間シーンとなる魔族たち。


俺って緊張しすぎて言葉が固くなっちまう癖があんだよ!


そのせいで先輩たちからも目を付けられたし…なんか皆近づいてこないし…(泣)



もう逃げたくなってチラッと後ろにいるアレクさんを見ると、期待の眼差しを俺に向けていた…←


そんなキラキラした目で俺を見んなぁああああ!!


眼差しに耐えられずさっさと城の中に戻りたくて口を開いた。



「俺が目覚めたからには魔界を人間共に好き勝手させない。もちろん裏切りも許さない、俺に着いてくるのであればお前たちを全ての力を使ってでも護ると誓う。決断するのはお前達自身だ」



……お、思わず早口になって何言ったのかまったく覚えてないんだけど大丈夫だよな!?


誰も話さなくて、余計不安になる。



な、何か言葉足りなかったのか?


それとも変な事言った!?



「…大事な仲間に再び会うことができたことを幸せに思う」



それだけ言って城の中に向かえば、後ろから魔王様コールが聞こえた。


成功した!?



「…魔王様」



長い廊下を歩いていれば、アレクさんが俺に話しかけてきた。


何?もしかして失敗したとか…!?



頭を下げて謝ろうと思ったら、アレクさんの綺麗な黒い髪に灰色のゴミを見つけて手を伸ばす。


あ、ついでに謝っておこう!


必然的にアレクさんの耳元で話すことになるけど…



「アレクも大事な仲間だ(だから失敗しても)離れないでほしい」



アレクさんにそう言って離れる。


少しアレクさんの様子を見てると、いきなり輝かしいほどの笑顔を俺に向けて。



「俺が魔王様から離れることなんて絶対ありません!これからもお側においてください!」



そう言った。


おお!何といい人なんだ!



「(ついでに)ゴミは捨てておく」



左の掌の上にゴミを乗せて、右手をかざす。



『消去』



そう念じれば、『ギャァアアアア』…変な音を出して消えた。


…何だ今の。


ま、いっか。



 

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