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Dream Story  作者: 夜舞崎 結季
5/10

Dream5 嘘でしょ!?

やっと元の世界に…

「テッド!」

 多くのペットが預かられている「ペットパーキング」にテッドはいた。クアナと俺はそこまで走った。

 声に気付いたテッドは起き上がった。

「テッド!今すぐ行くぞ。ここは私たちには合わぬ場所だ。優斗、早く荷物を入れろ!」

「な、なんでそんな慌てる必要があるの?」

 荷物を入れながら優斗は問う。

「分からんのか!敵が私たちを狙っている。準備完了する前にここを脱出するんだ」

 荷物を全て入れ、荷車に乗って、テッドはその場から去った。

 電気も点いていない街中をクアナ達は進む。

 数十分後、街の出口の看板が見えた。しかし鉄の扉が閉まっている。

「よし、このまま行くぞ」

「ちょっと待って!扉閉まってるよ」

「任せとけって。優斗、テッドを頼む」

「お、俺!?」

 クアナは綱を優斗に渡した。そしてクアナは立った。

 その頃出口の門では二人の番人がぐっすり寝ていた。

ドドドドド

「…ん?」

 音を感知した一人の番人が目を覚ました。

「なんだ?」

 月明かりが明るい中、番人は街の方を覗く。するとテッド達がこちらに近づいてくる。

「な、何だあいつら!?お、おい起きろ!」

「ん?なんだよ…もうちっと寝かせろよ」

「いいから早く起きろ!こっちに突進してくるぞ」

「…えっ!?」

 寝ているもう一人の番人が目を覚まし、立った。

「止まれ!止まれーーー!!!」

 番人の声がこちらに聞こえる、しかしクアナは、

「止まってられっかよ!」

 クアナは右手を出した。すると掌から黄色い光が集まりだした。

「退いた方がいいぜ」

 クアナの声を感知するように、黄色い光を見た番人は、

「おい、あの光って事はクアナだぞ!」

「ク、クアナ!?なんであいつがこの街に」

「いけーーーー!」

 クアナの声と共に、黄色い球が扉向かって放たれた。

「ヤバイ、あいつ打ってくるぞ。離れろーー」

 番人達は扉から離れた。

 その直後、

シュウゥゥゥゥゥ

 扉の方から黄色く光った後、何かが溶けるような音がした。

 番人は扉の方を見た。

「「と、扉が…」」

 優斗と番人は同時に驚いた。扉を見ると、煙を上げながら中央部分の扉が溶けていた。

 そしてその後をテッドと荷車が通る。

「あばよ」

 クアナは番人にウィンクし、テッドと荷車は道を走っていった。



 地平線から太陽が姿を現す。

「ねむ~」

 一睡もしてない為、優斗に睡魔が襲ってきた。

「なんだ?眠いのか」

「そりゃそうでしょ。寝てないんだから」

「あと数時間我慢しろ。じぃさまの研究所に着いてから寝ろ」

「ふぁ~い」

 大欠伸をしながら後ろで座っていたのだった。



 数時間後。

「おい、あれだ」

「え、何処?」

 クアナが指を指す。前に移動し、指した先を見る。しかし沙漠とサボテン以外何も無い。

「何処にあるのさ」

「そこだよ。サボテンがあるだろ?そこだよ」

 確かに前にはサボテンが幾つかある。しかし家らしき建物は無い。

「止まれーーー」

 紐を引き、テッドはサボテンで囲まれた場所に止まる。

「ここ?」

「そうだ」

 あんまり理解出来ぬまま困惑する優斗。

「まぁ見ておけ」

 クアナは荷車から降り、サボテンに近づく。クアナは手をサボテンに当てる。

「痛くないの?」

「こんなの全然痛くない」

ピッ、ピッ、ピッ、ピーーー

「認証シマシタ」

 サボテンから声が聞こえる。

「降下システム作動イタシマス」

 その声が聞こえ、クアナは荷車に乗る。

ガシャン

 急にサボテンの周りが沈みだした。数十メートル下がり、下がり終えると目の前には扉があった。

 クアナは再び降り、扉の隣の認証パネルに手を当てる。

ピッ、ピッ、ピーーー

「確認シマシタ」

 扉のロックが解除された。

ガシャ

 扉を開け、テッドはその中に入る。

「送風機作動シマス」

ブオオォォォォ

 上から風が吹く。テッドと馬車に着いた砂が外へ飛ぶ。

「扉開キマス」

 奥の扉が開く。扉の先には白衣を着た緑色の体をしたおじいちゃんがいた。

「おかえり、クアナ」

「ただいまじぃさま」

「久し振りじゃないか。おや?そやつは」

「あぁ例のアレだよアレ」

「そうかそうか。そやつ、こっちへ来い」

「は、はい」

 優斗はおじいさんに近づく。

「ちと、胸を見せてくれないか?」

「あ、はい」

 優斗は服を脱ぐ。おじいさんは優斗の胸に手を当て、目を瞑る。

「なるほど」

 数秒でおじいさんは手を離す。

「こっちへ来なさい」

「あ、はぁ…」

 優斗は服を着て中に入った。中に入ると色んな動物が檻の中に入っていた。奥に進むと今度は試験管にいろんな液体が入っていた。更に奥に進み、扉を開けると、そこは40帖程のリビングだった。

「そこのソファで寛いでおれ」

 じぃさまはそう言った後、戻った。

「座ってな」

 クアナが言い、俺は4人用ソファに座った。


ガチャ

「おい、お主」

 暫くして、じぃさまは黄色い液体が入った三角フラスコを手に持っていた。

「じいさま、それは何?」

「これは転生液じゃ。お主は多分今自分の夢の中にいるんじゃろ?」

「た、多分」

「さっきお主の体に触れて即分かった。前にお主と同じ人間が4人クアナと一緒に来た。その4人全てこの世界が夢の中だと分かっておる。じゃから君も多分今夢の中におる。この液を飲めば夢から覚め、再び生活が出来るじゃろう。ほら、これを飲みなさい」

 じぃさまはコップ一杯に注ぎ、優斗に渡した。

「これを飲めば…」

 俺はコップを見ながら言う。

「さ、早く飲んで元の生活を送りな」

 クアナは笑顔で言う。

「今までありがとう」

 俺はそう告げ、黄色い液を飲む。

 次第に視界がぼやけ、フラフラしてきた。

「これで帰れ…る」

バタン

 優斗は意識を失った。そして優斗は消えていった。

「これで解決じゃ、おほほほほ」

 じぃさまはフラスコを持った手を上げていた。

「おや?」

 じぃさまは底に貼ってあるシールに書いてある文字に気付く。

「あっ!?こ、これは!」

「どうしたの?じいさま?」

「私は何て事を…」

「どうしたんな?」

 じいさまは慌てて戻った。



 一方優斗は、

「優斗ーー、優斗」

 母親の声に目が覚める。景色は普段見る俺の部屋の天井。どうやら戻ったみたいだ。

「良かったぁ」

 俺は安心しながら時計を見た。時計は8時27分19秒。

「ヤッバ!遅れるじゃん」

 急いで布団から起き上がり、階段を降りる。

「やっと起きたの?」

 キッチンで料理しながら母は言う。

「ご飯は?」

「今作ってる」

「今じゃ遅いって。パンでいいわ!」

 俺は食パンを食わえ、準備して出かけた。



ガラガラガラ

「ハァ、ハァ、ハァ」

 ドアに手を当てながら俺は息を荒くした。

「遅い!7分遅刻」

 先生は椅子に座り、腕を組んでいた。

「それじゃあ早速勉強だ」

「少し休ませてくだはぁい」

「馬鹿言え!夏休みはあと何日だと思ってるんだ!」

「昨日が7月29日だったから30?」

「何が30だ。今日は8月4日だぞ。寝ぼけてんじゃない」

 俺は吃驚した。確かに今日は30な筈。

「先生30日から昨日まで何してました?」

「おまえに言ってなかったか?30から3日は無しだって」

「いや。聞いてません」

「そうか、まぁいい。兎に角勉強だ!はよ席に着け!」

「時間潰しにならなかったか」

 そう思いながら俺は仕方なく席に着く。



 午後3時、今日は何時もより早く終わった。と言うか先生の用事でこの時間で終了。

「さぁて、帰ろっと」

 太陽が照らす中、家へと歩いて帰る。



「ただいま~って誰もいないや」

 誰もいないリビングにカバンを置き、エアコンを点け、ソファに寝転がる。

「寝たらまたクアナに会えたりして」

 そんな事を思っていると次第に眠くなってきた。

「ふわぁぁぁ」

 優斗は寝てしまった。



「おーーい、おーーい」

 じいさんの声が微かに聞こえる。

「おーーい、これは駄目じゃな。おい、クアナ」

「あいよ」

 待て…このパターンはあの時みたいにビンタが来るパターン!俺は目を開けた。目の前にはクアナとおじいさんがいた。

「ちょっと待って」

 俺は手を目にあてる。嘘だ…戻ってきちゃったのかよ。

「いや~すまんすまん」

「どういう事です?」

「それが…間違えちゃった」

 おじいさんは照れくさそうに言った。

「転生液は今きらしていての。お主が飲んだ液は…」

 おじいさんは黙ってしまった。

「な、なんです」

 優斗はおそるおそる聞く。まさか生死に関する液を飲んじゃったとか…

「お主が飲んだのは…」

 優斗はおじいさんがなかなか言わない為、恐怖が段々増してきた。

 すると優斗の体に異変が…

という訳で再び夢の中に入ってしまいました(笑)次話は優斗に異変が!!!

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