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はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第六章 変革の刻編

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11.金剛石

 それからの三人の動きは早かった。

 惟光の命令により、村の長へと伝令が瞬時に飛び「国有の山の工事を行う為、麓の村に危険が伴うといけない為、出来れば退去移動をお願いしたい」との内容だった。


 この村は周りを山に囲まれた小さな村で、道も細く村民と言っても既に老人が二十人程しか居なく、代替え地に家を建て、畑を与えると言えば、全員が承諾した。


 承諾の意を受け取ると同時にこの付近一帯を立ち入り禁止とし、国有地とし門兵の配備も瞬時に決定した。

 これで、一般人の立ち入り禁止になった。


 その頃信は、この不思議な光石の成分分析が完了していた。

「これは……まさかな。南方の島で採れるとは聞いたことはあったが、まさか我が国にも鉱脈があるとは驚いたな」


 ──トントントン

「信です」


「入れ」

 殿下自らが許可の声をあげる。


「で? どうだった?」

 殿下が直球でたずねる。こういう時の殿下は無駄な主語や、説明は嫌う。


「間違いなく金剛石です」


 信は手短に問いに答える。


「で、純度は?」


「まだ、採掘品が今はこれだけしか御座いませんので、全てはわかりませんが、透明度は高く、此方は窒素を殆ど含んでおらず、かなりの希少品と」


「ご苦労だった。今後採掘される石の判別を任せる」

「御意」

 信は短く答え、部屋を後にした。


「と、言うことだ。惟光よ。保護を急げ」

「御意」

 そう言って惟光は急ぎ部屋を後にした。


「採掘は惟光に任せたら良いとして、加工技術よのう?」


 ──トントントン

「凛花です」


「おお。入れ」


「おはよう御座います」

 ん? なんかいつもより、忙しそう? 書類が多く机に散らばっている?


「凛花。これが何かわかるか?」


 ん? 朝からクイズですか??

 って!! それ?って え? もしかして???


「ダイヤ、あ、いや金鉱石でしょうか?」


「ほう? 良く分かったなあ? 流石凛花だな?」


 ヤバ! もしかしてダイヤモンドって未知の石だった? ってこともないか? 金鉱石って分かったぐらいだし、南方の島国や、北の大地では採掘していると確か聞いた。

 実は、長谷部堂のご主人から入手出来ないか? 以前に聞いていたのだ。


 こんなに早く見つかるとは驚いた。


「何処の国からの入手なのですか?」

 私は南方か北かを聞いてみた。


「いや、我国内だ」


「え?」


「皇太子殿下と妃殿下の婚約祝いにと献上に持って来た、妃殿下様宛の贈り物の中に入っていた物の一つです。開封が昨夜になり、遅くなったことが申し訳なく」


 支宣様が頭を下げた。


「いえ、それは仕方がありませんわ……。あの山を順に一つ一つ開け、中身を確認して記載して、整頓していってるんですから、しかもその荷は日々増えていると聞きますし……」



 諸外国元首や高官からの品は優先して開けられるが、国内の小さな村、しかも庶民からの品はどうしても後回しにされていた。

 そこは差別ではなく、便宜上仕方がなかったのだ。侍従達も一日その仕事だけをしている訳にはいかないので。


「南の小さな村の周りの山だ」


 マジか! まさかの手付かずの未開の山?!! ダイヤモンドの鉱脈の発見??

 うそん? 億万長者? いや 億どころの騒ぎじゃなくない? これって。

 まあどの位あるかにもよるけど……


「り、凛花さん?」


 は! やばい! 顔がにやけ過ぎてた!!


「支宣様、直ぐに長谷部堂の店主を此方に呼んで貰えますか? 出来れば先日話した「青玉」と「紅玉」の試作も一緒にと」


「御意」


 実は殿下には内緒で進めていた話しがもう一つあった。

 殿下の誕生石である「青石」所謂サファイヤを使って贈り物をしたいと考えた私に長谷部堂を紹介してくれたのが支宣様だった。


 ただ、私が長谷部堂に頼んでいるのは「淡青石」の裸石。

 そうパープルサファイヤルースをお願いしている。宝石が最も美しく輝きを放つ形。58面体のブリリアントカットを現在工房で試作中だった。

 そのことは伏せるように支宣様には目配せした。


「入口付近を少し削っただけなんで少ないがな。本格的な採掘はこれからだ」


 ──ゴトン



 は?


 少ないってこれ?


 大きな塊はゆうに、カットしても1カラット以上は余裕で削り出すことが出来る大きさだった。

 それが10個程無造作に机に転がっていた。


 おい! 未研磨とは言え、天然ダイヤモンドの原石だぞ? 末端価格幾らすると思ってるんじゃ!!


「で、殿下? 此方頂いても??」

 恐る恐る聞いてみた。うん。駄目よね。絶対。国宝級の発見ですものね……流石にねぇ。


「ん? 欲しいのか? 珍しいな? 凛花が自分から物を欲しがるなぞ? 女はやはりキラキラするのが良いのだなあ? なら全部持って帰って良いぞ?」



 え?? 一個で良いですよ? 全部って!!


 ええええええええええ?


 太っ腹すぎやしません?


 て、この御方ダイヤモンドの価値分かってるのかしら?

 今は原石だから、くすんでるし、ただの石ころぽいですがまあ炭素ですしね。黒ぽいのは仕方ありませんけど。これ、見た感じ内容物少ない、しかもちゃっかり八面体。最高ランクだと思いますが?


 初めて見たわ。ここまでヒビや割れが少ない綺麗は八面体の結晶って……「ソーヤブル」

 最高品質の原石がゴロゴロと転がっていた。


 私は立ちくらみしそうな衝動を抑え、長谷部堂の店主を待った。


「なぁ? 長谷部が来るなら応接室がよくないか?」


 そうだなぁ。流石に殿下の執務室は……

 でもこのクオリティの発見って極秘にしないと、色々と面倒なことが起きそうよねぇ……

 完全に人払い出来る密室ってここしかないよね。



「いえ。殿下、今回だけは此方をお借りできないでしょうか? 国の一大事になるやもしれません。お人払いを」


「と、信を此方に同席させたいのですが」


「良かろう」


 殿下がことの重大さを感じ、執務室の警護にあたっていた役人を人払いした。

 代わりに念のため惟光様を早急に戻るように命令した。


 それから、直ぐに駆けつけた信と三人で私達は長谷部堂の店主を待った。



 ──トントントン

「長谷部堂店主をお連れしました」


 支宣様の声が聞こえた。


 来た!













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