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はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第六章 変革の刻編

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4.逢瀬

 ──「凛花。お前、自分が何を言っているのか分かっているのか? 先程言ったろ? そんなことがなくても関係なく俺はお前を愛していると。無理することはない。俺はお前を大事にしたい」


「違うのです。私が殿下を欲しいのです!!」


 私は自分の気持ちを誤魔化すのはもう止めた。

 今までも、こんな状態になりかけた際、本当の気持ちを誤魔化し逃げていた。


 飽きられるから? 捨てられるから?

 関係ない。


 私がこの人と繋がりたいと願うからだ。

 もう自分に嘘はつかない。



「まいったな……」

「途中で止めて欲しいって言っても聞かぬぞ? いいのか? それでも?」


「はい」

 私は覚悟を決め、目を閉じる。


「優しくしたいが、その自信はないぞ。受け入れろ」

 そう言った殿下は、自分の上衣を脱ぎ捨てた。




 ──アッ イッ 



「力抜け、直ぐ楽になるから」


「あ、」


 伽羅の薫と殿下の吐息が混じり合う。

 既に思考することすら、ままならない。

 段々早くなる鼓動を感じながら、殿下の吐息が荒くなる。

 しがみつくだけが精一杯の背に、汗が滲んでいる。

 殿下が髪を掻揚げた隙間から見せる、狂おしい本能の姿。

 止まることのない激情。

 堪えきれず彼の背に爪を立てる。



 アッ



 それから、もう何度も突き上げてくる痛みをのみ込み、押し寄せる波に身体を任せながら、彼の流れに合わせていく。

 とめどなく続く激情の先で朝を迎える頃、今まで味わったこともない感覚が体中を駆け巡った。






 ◇



「おはよ?」


 ハッ!


 昨夜の殿下の艶かしい汗と吐息を思い出してしまい、顔が赤くなった。


「昼まで寝てろ。朝食の用意をさせておいたから腹が減ったら食え」


「何処に?」


 私は殿下の腕を思わず掴んだ。


「そんなに良かったなら、続きをしたいところだが残念だが夜までお預けだ」


「何事かあったのですか?」

 私は不安になり、聞いた。


「いや、定例会議の時間だ。流石になぁ、このままお前を抱いても良いが、そこはなぁ? 仕方あるまい」


 は! 忘れてた!!

 今日は週一の全体会議だった!!



 ──イタッ

 飛び起きようとした瞬間、下腹部に激しい激痛がした。


「無理するな。徐々に慣れれば良い。まぁ俺が悪いのだけどな。ちと抑えが効かなくてすまなかった」

 そう言って、殿下が軽く私の肩を抱いた。


 私は彼の袖を掴む。


「おい!」


「ごめんなさい……」

 分かっている。皆が殿下を待っている。そして彼が行かないと駄目なことも。

 それでも私は(すが)ってしまう。強請(ねだ)ってしまう。



 殿下の唇が覆い被さってきた。もう何度もした口づけ。

 激しく奥まで入り込む。

 何度も繰り返し探られ、殿下の手は下方へと。


「ちょ、殿下、か、会議に遅れます……」

 それでも殿下は続ける。

 首筋を通り、下着しか着ていなかった衣に手が掛かる。



「あっ」


 思わず声が出てしまうが、即座に唇で塞がれ手首を強く掴まれた。

 振りほどこうとするが、気持とは裏腹に身体が先に反応し、彼を自ら求めて身体を(よじ)る。

 それに応えるかのように強く奥へ。


「あ、」


 昨夜のせいで敏感になっている私は

 思わず声が漏れた。

 そのまま彼に身体を預けた私は、何度も繰り返し誘われ、もう立ち上がることも出来ないぐらいの気だるさと、激しい睡魔に襲われた。


「行ってくる。おやすみ」


 殿下が額に口づけしたのを感じながら深い眠りについたのだった。





 ◇




「大丈夫ですか? 殿下? 凛花様のお加減が悪いと、紀恵殿より連絡を受けたのですが? 医務士を呼びましょうか?」


 支宣が心配そうに聞いた。


 珍しく遅れて来られたが、少し殿下の様子も普段と違い、凛花様を心配されているのだろう。

 会議も一段落し昼食の準備の為に、皆が部屋を後にした。


 部屋には殿下と、弟の宣と俺の三人しか居ない。


「支宣、婚約発表を早めるぞ」


 殿下がいきなり唐突に言う。


「え?」


「まあ、……そう言うことだ」



「は?」

「え?」

「ちょ、殿下??」


「一応報告はしたからな?」

 そう言って殿下が隣の資料室に足早に去った。


 俺達二人は顔を見合わせた。

 が、瞬間、二人で鍵が掛けられた資料室のドアを叩いていた。


「開けて下さい!」

「何でまた? 殿下!!」




 ──その後やっとのことで鍵を開けた殿下は、二人の兄弟から厳しい取り調べを受けたのは言うまでもない。



「もう、よいだろ? 全て話したではないか」


 殿下が、涼しげな眼差しで俺達を見る。その顔があまりにも爽快で凛々しく見えたのが、少しばかり羨ましくなったが、それとこれとは別だ。


『ダメです!』

『いいから、座って下さい!!』



「あ、俺に伽番は要らぬぞ? 他の女を抱く予定は今後一生ないから、稚児(ややこ)が出来たとて凛花との子しか出来ぬから記帳する必要はなかろ? まぁお前らにそ()()()()()があるのなら、好きにすれば良いけどな?」





 ──「趣味って……」

「一応護衛の問題もあるしなぁ……」

「寝所で私欲の願い事をするのを防ぐ目的もあるのだが、御方様だしなぁ……」

「それは今更だろう、それに側室作らないなら私欲も何も……」

「最近は剣術も習われておいでだしな……」

「結から聞いたわ。中々の腕前らしい」



 ──今日も、大好きな主の為に兄弟は仲良く悩み中でした。





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