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はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第五章 東宮編

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10.園遊会、いや運動会です

 布教活動、もとい、民への労い活動も無事終わって、政務秘書官室に戻って来た私達は、今イツメンで会議中だ。


 来月に開催される予定()()()「園遊会」について。

 だったと過去形なのは、元々これを計画したのが、今上だったからだ。

 今上とはもはや名ばかりで、本人はさっさと御所を出て、今は母上の宮で生活中。皇后陛下も、親王殿下も一家でお引越ししてしまったのだ。


「なぁ、これやる意味あるのか?」

 半ば呆れ顔の光様が言う。


「……」


 そもそも今は後宮は殆ど機能していない。

 女達を集め宴会を開く意味が最早なくなってしまったのだ。


 でも折角、三木堂さんに用意して貰った贈り物もあるしなぁ……

 婚活パーティーでもやる? なら?


「では、宮に務める官や女衆、その御家族等や、三木堂さんや、文和堂なども招待して、懇親会でも開きますか? ならばそんなに無駄な金の出費ではないでしょう? 労いにもなりますし」



 何言ってんだ? お前!って 顔で みんなが私を見た。

 そもそも、宮殿内に、宮仕えの家族を呼ぶとかありえないだろ? の顔だろう。


「凛花様、流石に無理が御座いましょう?」

 惟光様が苦笑いで言う。


 まぁ警備担当ならね。大変でしょうけど。


「宮で働く者の家族ですよ? ()()()()()をするような肝の者がそうそういるとは考えにくいですけどねえ? 何なら出席にあたり、後見として本人に署名さすのも」


 自分の娘や息子、夫や妻が働いている職場、しかも国の中央だ。ある程度の両家の子女達が殆どだ。

 おかしな行動を取る心配は少ないとは思うが、最悪の保険として何か起こせば、一族処刑すると脅しておけばまあ問題はいだろう。


「殿下に似てこられましたね……」


 支宣様が私を呆れた目で見た。

 うるさいぞ? 柴犬め!


「で、何処まで呼ぶつもりだ? それは?」

 殿下が具体的なことを聞いて来た。流石は光様。もう次に頭は向いていた。


「出来れば希望者全員を。食事は簡易で立食式。配膳ではなく、各自で所定場へ取りに行く形を」


 そう、大掛かりな料理は到底無理だ。バイキング形式で行いたい。


「それは構わぬが、ただ一つ懸念は、混入の危険は?」


 それだ! 私もそこだけはちょっと考えていた。現代日本と違いやはりまだまだ……な時代。

 怪しげな薬や毒も存在するのだ。


 待てよ? ならば持参にしたら?


「では、持参にしませんか?」



「はあ??」

 流石の光様も久しぶりに驚いた顔をした。珍しく「シ」がひっくりかえるぐらい高い。


 園遊会といえど料理目的ではないはず! ちゃんと土産は用意すれば!


「料理を食べる! が目的ではありませんよねえ? 皆を労うのであれば? なら皆が思い思いの弁当を持参し、身分の隔てをなくし、一緒に食べ交流すれば宜しいのでは?」


『……』


「まぁ間違えではないが……」

 光様は何やら思案しているようだ。


「では、代わりに褒美を与えるのは如何でしょうか?」


「褒美? どうやって?」

 少し殿下がくいついて来た。


「今回三木屋さんで用意した「白珠」は本来側室様や、高位女官様用に用意した物ですが、それを褒美対象にします」


「側室如きに様なんか要らん。で? 褒美対象とは? 如何に?」

 一瞬不快感を顕にされたが、そこは直ぐに切り変えて続きを催促してきた。


「懸賞、富くじ? 矢? そこは色々な趣向を行いですねぇ。その勝者にと言うのはどうですか?」


 うん、園遊会やめて運動会にしよう! 運動苦手な人にもチャンスある為に、いろんな種目考えよう!



「はあああああああああ? 富くじに? あの宝珠を? お前気は確かか?」


 流石に光様もちょっと驚いた、いや呆れた? 御様子である。

 恐る恐る、犬兄弟を私は見た。案の定、今にも食いつきそうな犬が二匹。


 これ、私、処刑される案件かしら?


 そこから私は必死で三人いあの手、この手で説明し、説得した。


「まぁ……競を行うのは良しとしようではないか。ただ、あれは俺が意匠を考えた物だぞ?」


「その殿下、いや皇太子殿下を御支えする者とその御家族で御座います。殿下に命さえも捧げる者達ですよ? 全員私達の家族も同然、子らです! 側室如きより、よほど尊い方々で御座います!!」



 言ったーーーー

 処刑されるかしら………

 それでも、私は殿下の顔から目を背けることはせず、真正面から殿下を見つめた。


「だそうだ? 急ぎ準備しろ、惟光、支宣」


「御意」


「宜しいのですか?」

 私は、殿下のお顔を少し下から見た。


「凛花さん、その顔はやめなさい」

 そう言って、頭に軽くコツンとされてしまう。


「聡い、跳ねっ返りの夫は、何かと忙しいのぅ。ハハハッ」


 そう言って殿下は笑った。


 競技内容や告知に関しては、後程各配下へ回し、案を募ることで決定した。

 それでもやはり人が集うとなると、準備はそれなりに大掛かりになる。何せ人数が問題である。


 ただ、皆自分達が参加する会、自分の家族が参加する会と言うこともあり、意外と皆積極的に協力してくれ、準備もスムーズに進んで行った。











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