表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第五章 東宮編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/131

8.いざ出陣

 ──急な呼び出しにも関わらず、流石犬兄弟、直ぐにやって来てくれた。


「何事ですか? って、!! 何やってるんですか!! 殿下!!」


 目の前の理解できない、いや、したくない光景を見て、彼は一瞬現実逃避しようとしたが、流石そこは支宣であった。鬼の形相である。


「え? 殿下???」

 兄の方は、豆鉄砲をどうやらくらった後のように、ポカンと口を開けていた。

 だが、そこは国内きってのエリート軍人、直ぐに直り腰にある剣の鞘に既に手を掛けていた。


 おぃおぃ御前であるぞ? 此処で流石に刃傷沙汰はやめて欲しい。


「進! 結!! そこへ直れ!!」


「い、ちょ、ちょっと落ち着いてって二人共、それに結と進は関係ないわ、単に伝令に行かせただけだから」


 私は急いで、惟光様の前に出た。


 って! おい! そこで呑気にまだ「おにぎり」握ってんじゃないわよ!!

 貴方の部下が剣を抜こうとしてますよ? ねぇ見てますか?


 って! 母様もかい!!



「あらーー!! 流石殿下!! 何をしてもお上手なこと!」

「そうか? 貞舜? なかなか角が難しいのう?」

「そんなことは御座いませんよ、とても綺麗に出来ておられるではありませんか?」


 おい! そこ! 何を平和に和やかムードしてるんじゃい!! 止めろよ。止めろ!!


「座りなさい。惟光、支宣。無礼である」


 私は伝家の宝刀をついに抜いた。

 非公式とは言え腐っても皇太子妃殿下の身。

 私に否を唱えるとしたら、皇太子である光様だけである。


「し、いや、ご無礼を致しました。御許しくださいませ。妃殿下」

「大変申し訳御座いませんでした。凛花妃殿下」


 二人は揃って片膝を付き、臣下の礼を取った。


 私は面映さで、直ぐに二人に謝る。

「やめて下さい!! そんなつもりでは!! とりあえず二人とも落ち着いて! 座って下さい!!」


 私はすかさず、殿下を見るが、彼はニヤニヤと楽しそうに笑っていた。


 取り敢えず私は「計画」を皆に話した。


「なるほどなぁ……しかしなぁ」

「殿下が民衆の前にですか? 流石にそれは……」


「ん? 良い案ではないか? 民あっての国の泰平ではないか? 寧ろ今までしてなかった我ら皇族が間違えておったのだ。 帝とて、人だぞ? 神の訳ないわ! そんなもんくだらん御伽話に過ぎん」


 殿下は即座に賛成してくれたが、やはり惟光様と支宣様は難色を示した。


「では、こうすれば? 殿下には一応扇子を使い御尊顔はお隠し頂きます。でも一言だけ労いの言葉が頂きたいのです! それだけで十分民は殿下を、いや皇室を、殿下が頂上人におなりになる日を待ちわびるはずです! 民はそれだけで働く意欲がきっと出ます! 庶民にとって雲の上の御方が声を掛けてくださる! それで一丸となるなら!! 安い、いや、……これからの政において絶対為になります!!」


 もう少しで「人寄せパンダ」で皆が崇拝し、国政が安定して、国が繁栄するなら安いものだと言いそうになった……

 何も殿下が言わないのは、きっと彼も私の意図が分かっているからだ。


 使えるものはなんでも使う。

 例えそれが天上人であっても! それが民の為になるのなら!


「あ! ならば、惟光様もご一緒に!」

 うん、彼のルックスは一級品だ。普通に正統派イケメンであることには間違いない。

 ただ、傍に至高の宝がいるから、少し霞んでみえるだけの話で。


 うん、それなら支宣様も! 

 一見冷たそうに見えるまだ熟すまえの青い果実。

 この繊細さは、好きな人にはきっと堪らないはず! 今日は炊き出しの手伝いに市井のご婦人方も多く来ている!


 なら、結や侍女達も? 気位の高そうな女官より、可愛らしい侍女達、あ! 武官達!


 うん。皆連れて行きましょう!!


『今度は何を企んでおいでですか? 御方様?』


 皆の視線が痛い……




 ──それからの私の行動は早かった。


 惟光様の配下の独身男性数名、支宣様の配下の独身男性と年若い侍女、総勢三十名を用意した。

 名目上は「炊き出しのお手伝い」で

 でも、男は軍服、女は外出着で化粧もさせた。

 その中でも惟光様と支宣様、裕進様はじめとしたメインどころには高価な衣を着せた。



「凛花さまぁ。これわたくしも必要ですか?」

 支宣様が助けを求める顔をするが、私は微笑むだけで否は認めない。


 君も重要な役目が今日はあるんですよ? ふふふっ。


「凛花さん。悪い顔になってますよ?」


 そう言って着替えが終わった殿下が奥から出てきた。


 ちょ、……色気ありすぎじゃないそれ? しかも普段より香がきつめ?


 最近は濃い紫色や、藍色など比較的シックな色合いの衣を身に付けることが多かった光様。

 お立場的にも落ち着いたお召し物を敢えて着るようにされていた。

 だが! 今日は!!


 殿下が本気出してきた!!



 艶やかな薄紫色の上衣に、なんと薄紅色の袴。

 男性でこんなにピンクが似合う人がいるのか! と思うぐらい、ピンクと言っても紫かかったモーブピンクというか、いわゆるくすみピンクではあるが。 

 似合い過ぎだろ!!


 殿下の紫色の御髪に、よく映える。そして内衿には濃い紫、黄色、若草色と三枚重ね。華やかだけど上品さと可憐さが見える。


 女でもこれは着こなせないだろう。

 しかも185センチの長身細身男性だ。 

 溢れ出る色気と、圧倒的パーフェクトな美。

 庶民の女性なら瞬殺だろう。



 こういう所は殿下の負けず嫌いと言うか……

 一番じゃないと気に入らないらしい……

 困った御人だ。


 さて、準備も整ったところで、いざ出陣と参りますかね。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ