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はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第五章 東宮編

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2.愛妻弁当

 ()()から数日が過ぎた。最初は各所から文句が出ていたが、籠の中で御渡りだけを待つ。

 もしあったとしてもそれはたった一夜の戯れも。

 そんな物を待つより、現実を楽しむほうが良い! と、割り切って新しい生活を求めた者達が多く居たと聞いて私は安堵した。

 多くの者が「女官」や「侍女」試験を受験したらしい。


 それより一番気になっていたことがある。


 いくら酔っいたからとは言え、自分の後宮が知らない間に、半分以下になっているのだ。

 怒るのでは? と心配していた。



 が!!


 アノ後、何と今上帝は奥の離宮、そう香瞬皇后陛下の宮に入り浸っていると聞いた。

 親子仲良く水入らず? まぁ……悪いことではないのだが。


 なんとも……何ともな御人である。



 そんな中、声高に再燃した事案。


「皇弟、皇太子擁立案」

 過去に何度も出された案らしい。まぁ()()兄である。そして親王殿下は幼い。

 あれだけの側室、側女、側妾など……多くおられたにも関わらず今上帝には男子が居ないのだ!

 数名は過去には居たらしいが、五歳を待たずして全員亡くなられていた。


 いや、身分の低い遊女や、他人妻など……とても東宮には推挙できない男子は複数はいるそうだが……

 側室以下、ある程度の身分の者の御子は内親王殿下ばかりなのだ。


 皇太子かぁ……


 日本にあのまま居たら、お会いすることなんか絶対なかったわよねぇ……


 何処か遠い世界の問題のようにぼんやり考えて居たら、お疲れの様子の光様が入って来た。


「ああああああ~~~~~~」

 言葉にならない声をあげて、抱きついてきた。


 伽羅の薫が仄かに漂う御仁の背に手を回し軽く撫でる。


「あああああああああーーーーーーー」

「……行ってくる」

 少し強めに抱きしめられたが、直ぐに部屋を出て行かれた。


 ここ数日こんな感じで、日に何度かこうしてやって来ては抱きついて出て行くのだ。

 そして先程みたいに、言葉にならない声を発して。


 相当お疲れの様子よねぇ……

 私は彼に沢山のものをもらった。

 居場所、安堵、安らぎ、信頼、そして愛。


 今私が彼にしてあげれることは何だろう……

 恋愛経験のない私には、何が一番良いのか? 何なら彼の邪魔にならずに少しでも彼の支えとなれるのか? が分からなかった。


 私は夏用の寝巻きを縫いながら、何か良いことはないかと? 考えていた。


 明日は弁当を作ろうかなあ……




 ◇


 昨日色々考えたが、全く良い案が出て来ず、私に出来る得意なこと! を取り敢えずやってみることにした。


 今日はいつもより早めに起きた。

 昨日厨房にお願いしていた物がちゃんと届けられていた。

 そう、弁当と言えばアレよアレ!


 豚の腸の袋に豚肉を細かく潰して詰めた、そうウィンナーだった。

 タコさんウィンナー! とハンバーグ! そして卵焼き。ご飯は巻き寿司を入れる。

 彩にほうれん草のお浸しを添える。


 そして、和紙に文字を認めそっと添える。竹筒に茶を入れ栓をした。

 籠に入れ、侍女を呼んだ。

 流石に自分で持って行くのはちょっと……と思い託したのだった。



 食べてくれるかなぁ……

 少し心配しながら、縫い物の針を進めた。



 それから暫くの時間が経ち昼餉も終え、お茶でも? と思っていたら、いきなりドアが開いた。



「凛花ーーーーーーーーーーーー!!」

 殿下が飛びついて来た。


「どうされたんですか?」


「どれだけお前は俺を惑わすんだ? 本当に困った女よのぅ」

 そう言って殿下が私の頭を撫でた。


「お邪魔でした?」

 私はちょっと意地悪風に聞く。


「うん、非常に邪魔だ。こうして仕事が手につかんではないか」

 そう言って殿下がそっと額に口づけした。


「すまんな。寂しい思いをさせて、暫くの辛抱じゃ。鉈を振るうた以上、その責は負わねばな。それは支宣や惟光ではない。放置し続けた皇族が負うべき責だ」


 殿下は、里下りを申し出た者のその家の者に全てに、御手自ら解雇の侘び文を書き、退職金を持たせていると言う。その作業が終わるまでは、暫くあまり会う時間が取れないことは予め言われていた。


 侍女や、支宣様も最初は手伝いを申し出たが、殿下が断固断ったのだ。

「皇族である自分のつとめ」と。


 そんな彼を私は誇らしく思った。そんな彼だから一生付いていこうと思ったのだ。


「お身体だけは大事にして下さいね?」


「なぁ、明日も頼んでよいか?」


「勿論で御座います。旦那様」


「ああああああああ、ずっとこうしていたい!!」


 そう言って、また足早に部屋を出て行かれた。









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