28.ブレスレット
──「凛花ちゃん!」
『中将様!! 早くないですか??』
私と母様は共に驚きの顔をした。
先程使いの者を出したのに?
「いや、たまたまそこの番所に来ていてねぇ、李俊殿に似たような人物を見かけて、気になったから追いかけたんだよ」
「なんと!」
──パチン!
ナイスタイミング!!
私と母様は思わず手を叩いた。
ことの次第を中将様に私は話た。最初は何のことを言っているんだ? と不可解な様子だったが、あまりにもの私の力説により、多少怪訝そうな顔をしながらも承諾してくれて、お代を払ってくれたのだ。出世払いと言うことでお願いした。
天然本真珠の9~12ミリが12個、大玉の14ミリ超えが4個。巻がしっかりしていて、照りも良く品質的には最高級レベルだろう。加えて養殖真珠9~10ミリが9個。今の日本円に換算したら時代背景も考えて約20万円と言う程度ではなかろうか。
破格な値段だ。寧ろありえない値段と言って良い。
現時点では「白珠」こと真珠の価値は珊瑚の半値以下。しかも巻の良さ、や照りの良さなどは度外視されている値段だった。
そして、奥方の里の村にはこの四~五倍はあるそうだ。
殆ど販路がないため放置状態だと。この三木屋さんと言う方は、商売より研究に向いてそうな……
──無事に全ての支払いも終わり、私達は大量の宝珠を持っていることもあり、自然と帰り道は早足になった。
執務室に戻り、再度「白珠」の確保、保護、販売の重要性、将来の展望などを、中将様に話た。
が、やはり少し不可解なようだった。
「凛花ちゃんが言うんだから、大事な案件だと思うから、とりあえず俺だけじゃ何とも出来ないから、宣の奴に言ってみるよ。それで光様にも」
「お願いします」
そう言って中将様は部屋を後にした。
私達は中将様が戻って来るまでの間、母様と先程購入してきた宝珠を広げ、糸に今通す作業をしていた。
「なかなか、難しいわねぇ」
「母様、同じ色を何個も重ねるより、折角三種あるのですから、瑠璃、瑠璃、銀粒、瑪瑙、銀粒、瑠璃みたいに重ねと交互にしたら如何でしょうか?」
「なるほど! 凛花のみたいに?」
「そうですねぇ。まあ私のもそんなに上手とは言えないですが……」
こういうのはセンスだ。如何せんそっち方面には自信が無いのだ。
母様は自分用には、ローズクォーツ、ガーネット、水晶
父様用には、ラピス、翡翠、水晶
赤系とブルー系にしてみた。
私は自分用には、ローズクォーツ、アメジスト、トパーズ
プレゼント用には、アメジスト、ムーンストーン、ブルートパーズを選んだ。
二人で黙々と繋いで行く。
うんうん、我ならが良い出来である。
喜んでくれるといいなぁ。
──ドンドンドン。執務室のドアを荒々しく叩く音と同時に人が入ってきた。
支宣様だった。
「凛花ちゃん、兄様の話を聞いたんだけど、ちょっとよく分からなくてさぁ、凛花ちゃんに直接聞いたほうが早いと思ってきたんだ」
なるほど。私は素直に納得した。
「なんだよ? 何か言いたげだな? 宣?」
「凛花ちゃん、説明お願い」
私は先程話した内容を支宣様に説いた。
「なるほどなぁ、純利を~~と見積もって、でもそれまでの保護している間の金をどうするか? だよなぁ。確かに軌道に乗れば? 悪くないとは思うけど。如何せん、前例が無いに等しい物に先行投資するってことだよなぁ?」
「ですからその間は、副産物で凌ぎます! 白粉や、軟膏、首輪に、腕輪、安価な宝飾品など含め」
「それって、あくまでも売れたら? ってことでしょ?」
「……売ります!」




