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はじまりの刻 ~堅物姫と麗し皇子の秘め事の始まり〜甘美な世界でイケメン皇子に溺愛される〜美しの君は実はドS皇子でした〜  作者: 蒼良美月
第八章 践祚編

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10.一難去ってまた一難?(1)

 私は結と一緒に、宮内の応接室にいた。


「此方で御座います。如何でしょうか? 妃殿下」


 私は三木堂さんが持ってきた箱を手に取る。


「あら。良いじゃない。綺麗な色!」

 そう私が三木堂さんにお願いしていた紫水晶ではなく、大変希少な紫青石。パープルサファイア。


 それをキャッチを必要としない白金(プラチナ)で鳳凰、(オス)を模した意匠のフープ状のピアスに加工し、目にブリリアントカットしたこのパープルサファイアを埋め込んだ。

 それと揃いの意匠で、(メス)桃色金(ピンクゴールド)の台座で作成し、同じサファイアのピンクを目に入れた。


 そして、鳳凰の両方を揃えると、尾の部分の湾曲でハートになるようにデザインした。

 殿下の誕生日プレゼントではあるが、男性に両耳ピアスをと言うのは……だったので、片方は私の分を作成したのだ。


 ただ、これは殿下の御身に穴を開けると言う行為になる。

 大丈夫かなあ……とちょっと心配であった。


「あと金鉱石で、お作りした指輪も出来ておりますよ?」


「あら、此方は殿下の執務室に届けて頂いても?」

「承知しました」


 これは殿下が先日私へ新しくデザインしてくれたエタニティリングだった。

 最近、彼の創作意欲がどんどん増していて、こうして次々と試作として作られていく。


 それにしてもデカ!! あ!! ちょっと揃いのブレスレットが欲しくなってしまった……

 おねだりしちゃおうかなあ?


 屑石を利用した髪飾りや、細めの指輪を数点一緒に持って来て貰っていた。

 結に目配せして、全品買取で領収書に記名した。





 ──「御方さまーーーー!! 良いのですか??」

「御方様!! 有難う御座います!!」

「私もその耳飾を開けてもらおうかしら?」

 一人の若い侍女が、私の耳のピアスを見て、目を輝かせて言う。

「では医官様にお願いしましょうか?」

「良いのですか? 御方様……」

 申し訳そうに小声でモジモジとした感じでいうので私は笑顔で答えた。


「明日医官様がおいでになるので、たずねてみてあげるわ?」

「有難う御座います!!」

 先程まで不安そうな顔をしていた侍女はパーッと明るい表情へと変わった。




 ◇





 もうすぐ殿下の誕生日会か……それが終われば直ぐに、近隣諸国への年明けに即位の儀を行うことを知らせる案内を行う。


 即位の儀とは国内外に発表される儀式的なもので、その前に践祚(せんそ)と言い、位を受け継ぐことを書面上で交わされる。


 この践祚の時に、代々の宝剣などを受け継がれる御方も居られるが、殿下は過去の忌まわしい歴史を一掃させる意向で、朱雀の宝剣は継がない御意志を既に今上に言上していて、許可を得ていた。


 朱雀の宝剣は朱雀の宝物殿にその後奉納されることが既に決定していた。


 春国第二十八代皇帝陛下として新たに鳳凰となられることが既に決まっている。

 鳳凰様って殿下も呼ばれるようになるのかなあ? 


 まぁある意味、人間離れしているから良いのか?


 私は箱の中に納まっている、白銀と桃色金の番の鳳凰を見ながら青く澄んだ空を眺めた。


「先のことを考えても仕方ないわね。今日を一生懸命生きないと」


 独り言のように呟いた言葉は、大きな重圧が現実のものとなりつつことに対する、自分への発破を掛ける意味だったのか? 改めて現実を認識する為の確認だったのかは?

 自分でも分からなかった。



「殿下にブレスレットおねだりしてみよ~~と」






 ◇




「凛花です」


「入れ」


 普段と変わらぬ絶世の美女、いや美男子が蕩けそうな笑顔で私を向かえてくれた。


「殿下ーーーー」

 私は何となく嬉しくなって飛びついた。


「お、おい? 何? いきなりどうしたのだ??」

 流石の殿下もちょっと驚いた表情を見せる。

 私は無言で首を横に振る。


「ただ、何となく。あまりにも格好良かったから」


「何かまた思いついたのか?」

 なんでそうなる! もう!!!


「違いますって!!」

 あ! ブレスレット……


 でも今は、もう少しこの腕に抱かれていたかったので、大人しくしていた。


 そんな私に殿下は、何も言わずただ優しく額に口づけをしてくれた。


「何だい? 珍しいねえ? 凛花がこんなに甘えてくるなんて? 職場で。俺は全く構わないけどな?」



 は!

 忘れてた!

 ここ家じゃなかった……



 我に返った私は、恥ずかしくなり無意識に殿下の腕の中から抜けようとして身体を動かすが。


「ちょ、殿下……」

「たまには良かろう? 別に襲うわけではないのだから?」


 襲うて……その上品な綺麗な御方の口から。

 しかも貴方、私の旦那様ですし。


「皆は?」

 私はちょっと気になり聞いてみる。


「ん? 惟光と裕進は左膳の所だ。この間の件からやる気をだしたようでな。兵法の会議を開いておるわ」


 殿下は苦笑いしていた。


「支宣様は?」


「為時の所だ。為時が腰を痛めたらしくなあ。ブツブツ文句を言いながら少し前に行っておったわ」


 此方は少し嬉しそうに? 笑っていた。

 血は繋がってなくとも、親子ですものね……


「あれ? この窓ひび割れしてない?」

「あ、そのようだなあ? 交換するように言うておくわ」

「あ、では私がお願いしておきますね?」




「あ、大事な話があったわ!」

 いつになく光様が真面目な顔をされたので、私は少し驚いた。


「何のことでしょう? 大事とは?」


「うん、まあなあ……」

 殿下の歯切れがいつになく悪い。


 普段、こんなことはないので私は驚いた。

 そして問いただした。


「何ですか? ちゃんと言ってください! 気になるではありませんか!」


「怒るなって……」

 殿下が私を目の前の椅子に座るように促した。


「結婚の儀を早める」


 殿下がぽつりと言ってきた。


 え? 今度は何があったと言うの?



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