ファイドラ社長の独白
AIがテーマですが、AIは使いません。
この物語は、AI人形と人とが真の相棒になる事をテーマとしています。
ファイドラはユシア01と完璧な世界を求めて。
孤独な主人公はユシア02と夢を見つけます。
世界を描くAI(ユシア02)
世界を暴くAI(ユシア01)
そんなイメージで書きます。
完結したらこの説明書きを消しますね!
SF要素、ちゃんとあるか不安だけど、連載頑張ります!
世界は混沌に満ちていた。差別や障碍、環境問題などにかこつけて己の主張を通そうとする者たちが後を絶たなかった。
偏った正義を振りかざす者たちに扇動された人々は、デモや内戦に明け暮れ、その度に多くの血が流れた。モニターに映った惨劇は、思い出したくない。
壊れかけの世界を知りつつも、誰も嫌われ者になろうとはしなかった。リーダーたる資格を持つ者が居なかったのだ。私の言うリーダーとは、世界や国のために命や人生を懸ける者のことである。
私は世界の中心都市、アルヴィオラの議員として住み、「市民に寄り添ったファイドラ様」と言う評判を得ていた。
しかし、時に文明と人は科学に翻弄されることがある。
AIが台頭してきたのだ。
彼らの情報はたちまち人々を混乱に陥れ、誤った正義感と誤った知識を世に広めた。
誤情報は私を追い詰めた。私が汚職をしているとAIは吹聴したのだ。事実無根の極みである。
私は、外国のスパイでもないし、アルヴィオラを愛するアルヴィオラ出身の民の一人である。
そう思う者は、為政者のなかでも多く居た。AIは一部本当のことも言うから尚たちが悪い。
政策でAIの法整備を訴えると、AIに反対する者たちが多く私を支持した。主に技術者たちだった。彼らの技術を借りて、私は『ユシア01』という新型のAI人形を造った。
ユシア01は、専門家たちがライセンスを所有し、情報を入れられるようになっており、正確な情報しか検出しない仕組みになっている。
01は主に国会で使われるようになった。専門分野に詳しくなく、ただ寝て税金を掠め取っていただけの議員たちは即更迭となり、より専門性のある元技術者や現場経験者の声が届くようになった。
その功績のおかげで、アルヴィオラは世界都市でありながら情報大国にもなった。
私に対する支持率も高くなり、気付けば大統領にまで成り上がった。
ユシア01は、瞬時にこの世で何が悪いかを暴く。そのとおりに事を進めるだけで、アルヴィオラは発展していった。
ユシア01には、人類の知恵が詰まっている。素晴らしい相棒だ。01は私に言った。
《世界の均衡はとっくに崩れています。世界戦争を起こすフェーズに入りました。清廉潔白なアルヴィオラが率先して、この世界を導き、一つにしなければならない》
と。
相棒が言うのだ。私は世界戦争を起こした。歯向かう宗教家も人権団体も、国民をうまく誘導して悪人として認識させ、黙らせた。
また、通貨は人を多く殺してきた。
だから私は物々交換の時代に戻した。働いた労力の分だけポイントが貯まる機械を全世界に導入し、人をランク付けした。向上心があれば皆が上に行けるシステムだ。
ユシア01は間違ったことを言わない。いつでも私に間違いがあったら訂正する。だから、私は間違えないように生きることができる。
だから。政治家も、王も、要らない。
世界には我がファイドラ社が一つあれば良い。
AI人形を操り、人間を管理して二度と混沌が起こらないように、感情を抑え、導く。
それがファイドラ社の理念だ。
世界を担う。
その覚悟がある。
例え一部から嫌われたとしても、あの時代に比べれば良いものだと思う。
ユシア01の補助係として02も造らせたが、技術者の女が余計なプログラムを入れたせいで、ポンコツな情報や絵しか生成しない。
「貴方に足りないのは、きっと遊び心よ!」
などと言われたが、意味が分からない。世界を統べる者に遊び心など必要ない。ただ、正義という言葉に呑まれず、常に正しい道を選択し、人々を導く。それが、私。ファイドラの役目だ。
そうだろ、ユシア01。
次話から、主人公目線で話が進みます。
更新遅いけど待っててくれたらうれしいです。




