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【R15】婚約破棄されたけど、気にせずエルフの後輩と魔法特訓してたら、いつの間にか彼の最愛になっていました〜キスから始まる甘い魔法〜  作者:
extra story

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18/21

【こぼれ話】甘い誘惑と、限界のキス

本編からはみ出たこぼれ話です。

時系列は「未来の約束〜ずっと、傍にいてほしいんです〜(side.Alicia)」「交わされる約束〜運命は僕らの手に〜(side.Liam)」の少し前です。

リアム、調子に乗っています。

 夕陽が差し込む演習場。静かに揺れる木々のざわめきだけが、心地よいBGMのように響いている。


「ん……今日はここまでかな」


 アリシアがそっと魔力を解きながら、額に浮かんだ汗を手の甲で拭う。


「ふぅ……頑張りました、僕」


 リアムがその場に座り込み、ゆるく息をつく。その銀髪が微かに風になびき、陽の光を受けて柔らかく輝いていた。


「うん。ちゃんと制御できてたわね。でも、まだ安定してない部分もあるからーー」

「先輩」


 不意に遮られ、アリシアは目を瞬く。


「ん?」

「ご褒美、ください」


 リアムは甘えるような声音で、アリシアに身を寄せた。


「……は?」


 頬がほんのり朱に染まるアリシアに、リアムは艶然と微笑む。


「今日の特訓、すごく頑張ったでしょう? だから、ご褒美のキスをください」

「な、何言ってるのよ」

「いいじゃないですか、少しくらい」

「少しくらいって……今日だけで何回キスしたと思ってるの?」


 アリシアがジト目で見下ろすと、リアムは無邪気な顔で指折り数え始める。


「えっと……五回?」

「十回以上したわよ!」

「そんなにしました?」

「したのよ!」


 呆れたようにため息をつくアリシアに、リアムはくすくすと笑う。


「じゃあ、もう一回くらいしてもいいですよね?」

「よくないわよ!」

「……えぇ、ケチですね、先輩」


 むくれるように唇を尖らせるリアム。だが、すぐにその表情が妙に色っぽいものへと変化した。


「……あれ?」

「な、何よ……?」

「なんだか……体が熱い……」


 リアムは苦しげに眉を寄せ、胸に手を当てる。


「え、なに……?」

「魔力が……暴走、してる……?」

「えっ!? うそ、ちょっと待って!?」


 アリシアが慌ててリアムの顔を覗き込む。確かに、彼の瞳は潤んでいて、ほんのりと頬が紅潮していた。


「ま、まさか……」

「うぅ……先輩が、キスしてくれなかったから……」

「は!?」

「だから、魔力が暴走して、発情しちゃったんです……っ」


 艶っぽい吐息を漏らしながら、リアムが熱っぽくアリシアを見つめる。


(ど、どうしよう……!)


 普段のリアムなら、こんなにあからさまに乱れることなんてない。


「し、仕方ないわね……」


 アリシアは覚悟を決めると、そっとリアムの顔を両手で包み、唇を重ねた。


「んっ……」


 リアムの熱が、アリシアの中に流れ込むような錯覚。優しくて甘くて、どこかアリシアの中をくすぐるようなキスだった。


「……っ、どう? 落ち着いた?」

「……全然、だめです」

「えぇっ!?」

「これは……ただのキスじゃ、もうおさまらないみたいです」

「ど、どうすればいいの!?」


 リアムは今にも泣きそうな顔でアリシアを見つめている。


「……先輩の方から、もっと深くしてくれたら、きっと治ります」

「なっ……!」


 からかわれているのかもしれない。でも、彼の瞳に宿る色気は、本物の熱を帯びていた。


(どうしよう……でも、このままじゃ……)


 アリシアはぎゅっと拳を握りしめると、意を決してリアムの顔を引き寄せた。


「……っ」


 先ほどよりも深く、じっくりと口づける。

 舌が触れ合い、魔力が絡まる。


「ん……っ……」


 次第に、どちらのものともわからない熱が体内を駆け巡る。


(こ、れは……やばい……)


 リアムがぞくりと背筋を震わせると、アリシアの手が無意識のうちに彼の胸元へと伸びた。


「……っ先輩!これ以上、は……!」


 はっとして、アリシアは慌ててリアムから離れた。

 息が乱れ、唇が濡れている。


「き、今日の特訓は、もうおしまいっ!」


 真っ赤になりながら踵を返し、足早に去っていくアリシア。その背中を見送り、リアムはそっと呟いた。


「……危なかった……」


 本当は、魔力なんて暴走していなかった。

 けれど、今のキスは……想像以上に危険だったかもしれない。

 アリシアが可愛すぎて、演技のはずが、本当に限界を迎えそうになってしまった。


「……本当に、魔力が暴走しちゃってたのかも」


 リアムは苦笑しながら、頬を火照らせたまま、その場に座り込んだ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


この後は二人の結婚後の番外編(イチャイチャ成分強め)を投稿予定です。

『番外編① 神灯の宵、エルフの王太子夫妻は甘美な儀式に囚われる』

『番外編② 初めての夫婦喧嘩(?)』

『番外編③ 愛され過ぎて魔力が暴走!?甘い香りでお城がパニック!』

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