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8.声をかけて
ベンチに黒髪の騎士が見えた。
先日の悪戯失敗を思い出した侍女は、声をかけずに後ろを通り過ぎようとしたが。
「侍女殿」
やはり騎士は振り向いた。
「今日は、後ろから声をかけてはくれないのですか?」
「……意地悪ですね、騎士様。すぐに気づいてしまわれるのに」
すると騎士は少し考えるようにして。
「声をかけられるまで、黙っています」
「ふふっ、それもおかしいですよ」
「しかし、そうすれば侍女殿は声をかけてくれるのでしょう?」
ベンチに黒髪の騎士が見えた。
先日の悪戯失敗を思い出した侍女は、声をかけずに後ろを通り過ぎようとしたが。
「侍女殿」
やはり騎士は振り向いた。
「今日は、後ろから声をかけてはくれないのですか?」
「……意地悪ですね、騎士様。すぐに気づいてしまわれるのに」
すると騎士は少し考えるようにして。
「声をかけられるまで、黙っています」
「ふふっ、それもおかしいですよ」
「しかし、そうすれば侍女殿は声をかけてくれるのでしょう?」
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