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82.声が大きい
侍女数名と共に、ラシディアが客室の敷布を運んでいたときのこと。筋肉騎士が声をかけてきた。
「やあ、オリアントの侍女殿!」
一点の曇りもない笑顔で放たれた呼称に、ラシディアは顔を引きつらせた。
「あの、騎士様。その呼び方はちょっと、」
「おや、いけませんでしたか? オリアントとあなたは仲が良いようだったので! 違いましたか?」
「違……わない、ですけど、……その、できればラシディアとお呼びください」
「わかりました、ラシディア殿!」
終始大きな声を発する筋肉騎士の言葉は、周囲に丸聞こえだった。仲間の侍女たちの視線が痛かった。
仲間の侍女たち「へえ~、仲の良い騎士様? くわしく聞かせてもらいましょうか(^^)」




