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75.止められない
前話「75.あなたの好みは」から続いています。
早足で立ち去るラシディアの後ろ姿を、オリアントは微笑んで見送った。
最近はずいぶんと親しくなれたので、つい、悪戯心が湧いてしまう。あまり過ぎて嫌われないよう気をつけているが、ラシディアの反撃が楽しくて可愛くて止められない。
ラシディアは、細く折れそうな儚い外見を裏切り、魔術道具で虫を仕留めるようなひとだ。無骨なオリアントが触れても大丈夫だと思えるくらいたくましい。
どれだけ忙しかろうと隙をみて抜け出すほどに、ラシディアと過ごす時間はオリアントにとって大切だった。




