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102.遠慮のない仲
どれだけ気まずくとも、同じ職場で働いているのだから永遠に会わないではいられない。
それは分かっていたが、いざ本人が目の前に現れるとラシディアの心にはさざなみが立ち、そわそわと落ち着けない。
だがその一方で、オリアントはずいぶんと機嫌が良さそうだった。
「ああ、シディ。お疲れ様です」
「リアン様、お、お疲れ様です……」
ぎこちなく挨拶を返すラシディアにも、オリアントは笑顔を崩さない。
それどころか、ゆるりと目を細める。
「ふふっ」
「リアン様?」
「ああ、すみません。先日、あなたに打ってもらったことが嬉しくて」
「え?」
「あなたと、少しは遠慮のない仲になれたのかな、と。……そう思えば、何度でも打ってほしいくらいです」
「は、え? 待って待って。リアン様、ちょっと待ってください!」
ラシディアは こんらん している!




