余興
俺は電気街にいた。
もはや説明は不要だと思うが、レジェンドに呼ばれてここに来た。
エロ本から落ちた一枚の図面。それを新しく改良し売り出そうという魂胆だ。
さすがに俺の分身のような形じゃ売れないだろう。お店に納品しても大人関係の棚へ陳列されること請け合いである。
そこで、図面をレジェンドに見せたら「改良しとく」だった。
今日は改良品の品定めと、商品化するための相談にやってきた。
いつも俺が中心で話を進めているが、3人揃った方が結論も早いだろう。
そう思い、前もって社長にも連絡しておいた。
「おーけー」だった。
3本の矢ではないが、3人揃うと決断がスムーズだ。
形成はこの方がやりやすい。それじゃこういう形で基板を入れるか。コードをもう少し薄いモノに変えよう。この部分は……etc。
本当にアッという間に話が進み、取り分は前回と同じで決定した。
本物のプロって時間がいらないんだな。今まで培ってきた経験が一瞬で放出される、というか。
俺は感謝の念を伝え、手土産を渡して帰った。
プロ2人にモノ申していい?
大の大人が店先でケンカするなよ。
たかだかフィギュアのスクール水着か体操着ブルマで。
……決定まで時間がかかりそうだな。




