我が家は妹を中心に回っている 3
病名は急性上気道炎。世間一般でいうと風邪?
あの後、我慢しながらTVを観ていた。
だがどうしても耐えきれなくなって自分の部屋へ行き布団を被った。
そのうち寒気がするようになって熱っぽさを感じた。
「風邪引いたかな」と思い、とにかく寝ることにした。
しばらくして尋常じゃないダルさを覚え、熱がガンガン上がって節々に痛みを感じ、息をするのも苦しくなった。
ちょうどそこへ俺が現れた、という経緯だ。
緊急入院は思ったように熱が下がらず、とりあえず大事を取っての判断だったらしい。
点滴を受け2日後にはケロッとした顔で帰ってきた。
心配させるなよ、バカ!
その日のうちに緊急家族会議が開かれた。
決議内容は……。
・室内設定温度は26度を保つこと。
・妹がいる場所では彼女の好む環境を整えること。
・もし寒いと言ったら、俺が妹を温めてやること。
かなり不利な条件だったが、入院されるよりはマシである。
問答無用の決定事項が伝えられたあと、家中のエアコンを26度設定にされ、温度調節スイッチはテープでガッチリ固定されてしまった。
1つだけ言いたい。
妹は分るさ。入院されては困るし、みんなが守ってくれるから安心だろう。
君たちもマシさ。家族一丸となって困難に立ち向かえば絆も深まるだろう。
ただ俺はどうすればいいんだ?
もし俺が熱中症になったとして、そのテープは剥がしてくれるのかい?
妹はとにかく体が弱かった。
季節の変わり目には必ず風邪をひく。少しでも変なものを食べれば腹を壊す。校庭で整列している時に貧血でぶっ倒れる。そして学校を休む。
甘味料バリバリのグレープジュースを飲んでゲロを吐き、ゲロを吐いた自分にビックリして熱を出す、といったウルトラCまでやってのけた。
……ってか、弱すぎだろう。
食事も猫の飯くらいしか食べないので、全体的に華奢だった。
両親も心配して大事に育てたため、ナイーブなハート、ガラスの体になってしまった。
一方、俺は健康優良児を地で行く頑丈さで、1年を通して半袖短パンというバカ丸出しの格好をしていた。
風邪も引かない、腹も壊さない、学校も休まない、意思は超合金より硬い。
鉄のハートに鋼の体を持つ俺は、クラスメイトから鋼鉄神ジーグと崇められていたほどだった。
同じ兄妹でこうも違うのか。
もしかして、母さん? もしかして……。