ナースのひとりごと(COVID-19)について思う
感染症対策、知っていますよ、今更と思っているあなたに聞きたい何故ここまでコロナが広がってしまっているのか。
毎日流されるニュースでCOVID-19関連のニュース、クラスタ―が、院内感染が、家庭内感染が、などと騒がしい、言わせて欲しい。
「院内感染対策」昔からやっています、知らないナースはいません。
それでも、毎年インフルエンザで院内感染は起こります。病棟患者に発熱があれば、インフルエンザの検査をドクターに指示をもらう為に患者の状態を報告して検査の指示をもらって検査をします。(怪しいこれはインフルでは、と職業で培ってきた勘です)お馴染みの鼻に長い綿棒を差し込み試薬に混ぜ判定キットで陰性か陽性かを判断します。陽性と結果が出るとその病室の患者に予防投与といって抗ウイルス薬を飲んで頂きます。私達ナースは基本アレルギーがなければワクチン接種をしています。なので、予防という名目で薬は飲みません。
それでもインフルエンザに感染したりします。一番多いのは家族から“もらう”というパターンです。家族の誰かが感染して、その家族から感染する。というものです。私自身、ワクチン接種していてもインフルエンザになってしまった経験はあります。家族からもらいました…家の中でマスクはしません、家族が感染していたと分かった時には自分も感染しているのです。当然発熱悪寒と症状が出て……やっぱりか……で検査でその型を知らされます。
毎年流行するインフルエンザの時期になるとスタッフは院内感染に気を配り、家族に対してもお願いをさせてもらっています。
咳、発熱の症状のある家族の面会を避けるように張り紙をしたりします。えっ? 体調悪いのに面会に行く? と、思った貴方は常識を分かっている方です。そんな方ばかりなら、いいのですが……来るんですよ。病室にいる患者が発病する原因は外から持ち込まれたものがほぼです。
前置きが長くなりましたが、(本題じゃないの?)これからです。私のひとりごと、始めます。
今回のCOVID-19(コロナ)騒ぎで今や一般の患者でも面会は出来ません。出来ても家族1人、子供はダメ、面会時間にも時間制限があります。
緊急事態宣言が出た事で手術は出来なくなって、予定していた患者にお断りと他院への紹介で電話に張り付く……。何故出来ないのか、手術後の患者を診る事が難しい事、上の偉い方から、命に係わる事以外の手術をしてはいけない。と、言われているからです。
例えば整形外科で関節の手術を予定していた。そこは関節では手術の件数も多く腕のいいドクターがいる。なので、何か月も先の手術を予約した。そこで、今回の緊急事態宣言発令、当然手術は延期となります。確かに命に係わる事ではないです。しかし、待たされる側の身にもなって下さい。痛みを堪えその日を待っているのですよ。それだけではありません。
医療現場では、転院させたい患者がいても、受け入れて貰えません。何故か、その病院で院内感染が起きているからです。受け入れた、としても、受け入れる側もまずその患者がコロナに感染していないか検査をする必要があります。
緊急で搬送されてきた人がコロナに感染していないとしても、私達は、〝感染者″としての対応をしなくてはいけないのです。フェイスマスクに防護服、ここまではもう、皆さんもご存じだと思います。
では、現場はどうなっているか、各種報道されているので必要ないかと…
私の職業を知っているご近所さんは、母に聞きます。
「確か娘さん看護師さんよね……」
「そうですよ」
「……」
そうです、これは……近寄らないでおこう、と言うものですよ。まずまずご近所さまにお会いする事はないのですが、身内にまでそういった目でみるのか……と、溜息。
現場ではドクターが応援の為出てしまう。呼吸器、循環器のドクターは仕方ない、でも麻酔科のドクターまで応援に出る……はあ……
専門病棟を持つ病院のスタッフは疲弊するのは分かりきっている。それでも、病棟を増やす……その為スタッフが移動する……本音は誰も行きたくない。そこで条件が提示される。高齢者と同居していない者、子供が居ない者、その中から移動するスタッフが決まる……若いスタッフが隠れて泣いていた……
ワクチン接種が始まれば大丈夫だなんて思っていませんか? 毎年普通のインフルエンザのワクチン接種しますよね。でも、インフルエンザになった。という経験のある人もいるでしょう。お願いです。自分もコロナの感染者かもと、思って下さい。症状がないから、感染していない……もうそんな考えはゴミ箱へ捨てて下さい!
‥‥‥症状が出てから慌てても“遅い”という事を知って欲しい。
ワクチン接種で、終わりではないのです。今もう一度考えて欲しい、自分の事として、怖がる必要はないのです。これまでも色々な感染症と戦って来たのです。