9話、エルダーの本来辿る世界を観測した
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ずっと人間と共存をして私は争いのない森を目指して
いました、初心者の冒険者が迷ったりしたら助けたりしてました
なのに、、
「いけません!エルダー様!早くお逃げください!」
「なりません!それにどこに逃げろというのですか!」
森が豪炎に包まれる中で私は必死に右手に魔力を集め、それを飛ばし襲いかかる魔物に攻撃をする
彼女の後ろには森の種族、戦える仲間が戦えない人を必死に守ってますが人が足りず辛い思いをさせてます
なぜ、、友好関係を続けていた人間が襲ってきたのですか
人間の悪意が強すぎて魔物も活発、凶暴化して私達を襲ってきます
しかも人間も私たちを狙ってるみたいです
帰ってきたエルは少し離れたとこにいますが悲鳴を上げ続けています
私たちを攻撃し拉致をしている人間の声を聞きました
「へへっ、これで俺も一攫千金だ!」
「ばっか、万能治癒薬になる材料をぐちゃぐちゃにするなよ」
万能治癒薬?私達が?
「けど人型は勘弁してほしいよ、まるで人間を切ってるみたいだわ」
「こんな人間の皮を被った化け物を人間と思うお前がおかしいんだよ」
、、、え?私達が化け物、、?
、、、違う!この人たちは操られている!大部分は騙されてるだけど何人かは黒い霧を纏った奴がいる!
私達を誰かが滅ぼそうとしてるの?誰が?
考える間にも森はどんどん燃え、森が悲鳴をあげ森の子供達が拉致られたり死んでるのと人間の悪意がひしひしと伝わり悲しくなる
「あああぁぁ!マクヒが、、、マクヒが、、」
後ろで森から伝わる声で仲間が死んだり拉致されるのを聞いてる皆が悲しみだしている、必死に人間と魔物から逃げる森の仲間を助けるように魔力を通らせてるけど間に合わない
私の周囲しか力を回す余裕がない、、
助けれないもどかしさで泣きそうになる、けど
皆のために必死に気丈に振る舞う
大丈夫だよ、私が絶対守るから!
ずっと一人で私は守ってきたのですからこれからも守るよ!
メル!逃げて!
エルの叫びにならない声が聞こえてメルに意識を向けました
メルはエルを助けるという思いだけでエルのとこに突っ込みました
メルが悲鳴をあげてます、やめて!メルがあなた達に何をしたのですか!?
魔力を使い助けようとしましたが四肢を切断されてどうしようもなくなり、らしばらくして人間に精神を壊されました、、
、、、酷い、人はここまでひどくなるのですか?
無力感と仲間の悲鳴で私の心は悲しさで押し潰されそうになりながらも奮い立たせました
その中でもひときわ高い悲鳴が上がった、これは、、エル?
エルが悲鳴に似た歓喜をあげた瞬間に、私の知らないエルに変化した!間違いないこれは邪悪への反転だ
「エル!それはダメっ!もどりな、、え?」
背後からの衝撃で下に目線が行くとお腹から刃が突き出てる、私は後ろを振り返ると、、、
「悪魔崇拝の堕人!そうか、貴方達がエルを反転させたな、、!」
私の後ろに居たのは豹の皮を被ったジャガーの戦士
心を読んでこの人たちが仕組んだとわかりました
目が黄色く輝いてる戦士はさらに私に刃を突き立てました
皆を守るために私は最後まで生きないとダメなんだ!みんな守れない!守りたい!早くこのヤイバを抜かないとまずい!
突き立てられた刃から黒い気が私に入ってくる、必死に刃を抜けさせようとするが黒い力に拒めない、、
拒みたくない
「やめて、入ってこないで、、私はみんなを守るんだ、、、守る、、、みんなを返せ、、ミンナヲ返せ、、!ミンナヲカエセ!」
最後に残った理性を絞る出すように言葉に変えた、そして反転した
私は怒りを力を変えていく、今までの力とは違う異質の黒い力
今まで軽蔑し、絶対に使いたくなかった力
これが悪魔の力、、なんて、、おぞましく黒く、、
なんて素晴らしいのでしょう、これで心置きなく、、
森に入った人間を殺せる、、、!
気づけば私の身体は人型ではなく、大地に根下ろす大木になっていたが自由に体を動かせるし喋れる
みんな、大丈夫だよ
いまから、、あいつらを殺しつくすから!終わったらみんなで静かに暮らそう!ふふっ、、
ジャガーの戦士は消え、後に残ったのは私と
私に変異させられた森の種族だけだった
長く続く森と人類の争いの始まりました
エルの殺戮に力を貸すようにエルダートレントに変化した私は力を与えました
それは黒く、とても黒く、そして、、エルダーが求めていた色とは正反対の色ですがエルは相変わらず優しいですね
人を殺すなら 同時に 生きたまま 刺して 養分にしたら良いのに
街の住民を串刺しにしたときのエルは本当にキラキラした目で尊敬してくれてました
鼻が高いです
数年後、助力虚しく勇者にエルが倒されました
人間は騎士団を送り込みまた森を焼き出しました、ふざけるな、二度も許さない
「異形の植物め!クソが離れろ!」
異形の生物とは、酷いですね
貴方達がそうさせたんでしょう?
私は人間を1師団ほど殺しました、死体は養分にしました
生きたまま養分になった人もいますけどね
また何か来たみたいです
騎士団のなかに一際目立つ連中が居ますね、あれは、、エルを殺したやつ!
全魔力を使いあの連中を殺すようにやりましたがうまく行きませんでした
攻撃しようとしたらなぜか私の力が剣に吸い取られるんです
その者達は私のとこまで来て対峙し、あの剣に刺されました
攻撃出来なかった理由がわかりました、剣には、、魔石が付いてました
魔石に黒い力が吸われる!やだやだやだ!この力を離したくない!
私は無理矢理エルダーに戻りました、けど刺された剣は致命傷で生きることは叶わなさそうです
死に間際なのに涙が止まりません
なぜならさした人は、エルダーに戻ってわかりました
刺した人はジャガーの戦士でした
「エルダー、我が力にしてやる」
ジャガーの戦士に力を奪い取られ、、魂を食われました
ジャガーの戦士の中で魂だけの私は正気に戻った為に魂を削られる感覚が毎秒襲いかかります
まるで徐々に身体が鳥についばまれるように身体が徐々に無くなっていく感覚は耐えれない激痛をともなって安らぎはありません
絶叫するような悲鳴をあげますが狂うことも失神することもないのです、、
そして私は今までの自分の行いに対する非道な行為にも絶望し、絶望と痛みの混ざった悲鳴を魂がなくなるまで続けました
その悲鳴を聞いたジャガーの戦士は私に言葉をかけてきます
「人類に邪神認定された気分はどうだ?エルダー、残った森の種族は悪魔崇拝になってくれて私は嬉しいよ。」
私が邪神、、そんな、、みんなが私と同じに、、
私の目の前で同じように喰われて死んだ仲間をみて更に泣きました
「だって、、君の目の前で森の種族の魂を擦り潰せるんだからな!今5人目だっけか!?森の種族が目の前で正気に戻って君の名前を呼び続け謝る様はほんといいよぉ!」
お願いやめてよぉ、、
「やめてほしいんだよね?エルダーは本当に心優しいからね、、でも、私はそんな君の、、」
「悲鳴が大好きなんだ!もっと聞かせて!もっともっともっと!!」
それからジャガーの戦士は数々の森の種族を食い散らかすように襲いました
私の魂を食い尽くすまで演劇の如く目の前で正気に戻した森の種族の魂をすり潰し
謝罪を繰り返しながら魂が消滅する子供達の悲鳴と
目を閉じれず子供達の消滅する様子を目に焼き付けられた私の
絶望の絶叫と悲痛なやめて欲しいと叫ぶ精一杯のお願いも
長い時間子守唄代わりにしてジャガーの戦士は喜びに打ち震えてたようです
私は、、結局1人じゃ誰も救えなかった
私の隣に誰かいたら、また違ったかもなのに、、
頼れる人がいなかった私は、もしかして自分だけでなんとかできると驕った結果だったのかな、、
その思いを出した瞬間、私は消滅しました
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魂は食うと食らった魂の生前の力を丸々もらえます