48話、雪解けと花言葉
また塩欲しくなるようなのを書いてしまいました、、
「ちょ、リョウくん!?何してるんだ!」
僕とミーチさんの間に入るトムニアさんが慌てて間に入ってきた
「なんでそんな敵意をミーチに向けるんだよ!?」
僕はトムニアさんの質問に無表情で答える事にした
「だって、トムニアさんをさらった酒場に居たんだよ?犯人かもじゃないですか」
「っ!憶測だし、もし犯人だとしても彼女は悪くない!」
「なんで言い切れるの?」
「彼女は、そんな酷いことを自らする事はできないからだ!」
「じゃあなんで彼女はあんな悪い場所な酒場に居たの?」
僕の質問にも怯えてはいるが、トムニアさんはミーチさんの為に立ちはだかってる
「彼女は嫌々居たはずだ、家族の為に必死に頑張ってただけなんだよ!」
「なんでそんな事を言い切れるの?しかも家族じゃないトムニアさんがそれを知ってる理由って何?しかも酒場に」
僕の質問に明らかにトムニアさんが狼狽してる
「いや、それは、、通りでも大声で怒鳴り声が聞こえたから」
「それだけでなんでそんな結論になったの?」
僕はトムニアさんが何か影を落としてる物を出したい
けどトムニアさんはそれは言いたくない、いや、、言えないはずだ
それを言ったら自分がなんかあるってミーチさんにバレるからね
トムニアさんの後ろにいるミーチさんは、、無言で泣いていた
僕のせいじゃなく、多分トムニアさんの言葉に泣いてる
「僕は彼女の性格を知ってるから、、」
「知ってたらなんで身内以外は普通は知らない事を知ってるの?」
「いや、それは、、、」
トムニアさんが言葉に詰まった、、もう言葉で逃れれないなこれ
そろそろ彼女の顔は罪悪感と後悔で声を出さないと押しつぶされそうになってる
「もういいよ、トムニア」
よし、僕は存在を消してっと、、、!
「えっ?」
「こんな汚れきった私なんかを守らなくて良いのよ」
「、、、それでも、守りたいんだ」
「なんでよ!私は自分の為にあなたを売ったのよ!?」
もうミーチさんの綺麗な顔が泣き顔でぐちゃぐちゃになってる
「したいからしたわけじゃないんだろ?」
「それでも!私は自分が助かるために貴方に手紙を書いて人質にしちゃったのよ!?」
「私はっ、、貴方に守られる資格なんてないのよ、、」
トムニアさんが振り返った
「僕だって、、僕だって本当は守る資格も力も無いんだよ」
「僕は必死に守ろうと頑張った、自分の宝物や学校の休みで働いたお金も全部サラスに渡しても足りなくて売れるものは全て売ったのにミーチを助けれなかった」
「ミーチにとっては余計なお世話だけど、それでも何かしたかった。助けたかった、苦しみを少しでも和らげたかった」
「そんな力のない僕に守られたいと思う?思わないでしょ?」
なんというか、お互いに資格がないとか言い出してる。なんだろこれ?あ、ミーチさんがトムニアさんに抱きついた
「馬鹿!本当に大きなお世話よ!なんで私のためにそこまでしてくれるのよ!?力がないとわかってて!」
ぐしゃぐしゃになった顔でトムニアさんの服に顔をつけて拭きながら泣いてるのかな、、ミーチさん
対照的に落ち着いてミーチさんにトムニアさんが話しかける
「僕の服はね、ハナミズキリの花をイメージしたんだ」
「えっ?」
「ハナミズキリの花言葉は?」
「私の思いを受け入れてください、、?」
「僕はミーチが服を着替えるときに花をイメージするのは知ってるけど、その服はなんの花をイメージしたんだい」
「いや、それは、、、」
ミーチさんが言ったら止まれないって顔をしてる、なので僕がキラーパスを出すことにしたよ
「リナリアンだよね?」
「えっ、ちょっと言わないで!」
満面の笑みをしてミーチさんにキラーパスを送ってあげた、ミーチさんは泣いたらいいのか恥ずかしがったらいいのかわからない顔をしてる
「リナリアンの花言葉は?」
トムニアさんが聞いてきた、ミーチさんがちょっと身長の高いトムニアさんの首に顔を埋めた
「この恋に気づいて、、、」
「それは誰に向けたメッセージ?」
「あ、貴方に、、」
「もう一回聞くけど、ハナミズキリの花言葉は?」
「私の思いを受け入れて下さい、、」
「ミーチ、もうわかると思うけど、、、僕は好きなんだ。けど守れなかった、、そんな僕を受け入れてくれますか?」
「でも、私の体は汚されて、、」
「そんなのは気にしない、だって」
「君の心はこんなにも、綺麗じゃないか」
「あ、、あ、、あ、、」
「うわぁぁぁぁ!」
ミーチさんが周りも気にせずトムニアさんに抱きついて大粒の涙を流してる、それは止まらず
まるで威勢や建前を溶かすみたいに、泣いてる
しばらく泣いて、ミーチさんがだいぶ落ち着いた
2人で家の陰に座り、寄り添ってる
「ミーチ、渡したいものがある」
「え?」
トムニアさんはポケットから本のしおりを出した。しおりは紫の花、、?みたいなのが一輪、押し花としてついていた
「これは、、?」
「うまく作れなかったけど、プレゼント」
「これ、、ムラサキフジ、、?」
なんで?ミーチさんのいきなり落ち着いた顔が真っ赤に噴火して収まった涙がまた出だした
トムニアさんに聞いてみようっと
「トムニアさん、何を渡したの?」
「ムラサキフジを使った押し花のしおりだよ」
「花言葉がそれにもあるの?」
「うん、花言葉は、優しさ、歓迎、そして、、、」
「決して離れない」
最後の一言をミーチさんが言った
「ミーチ、遅いかもだけど学園と人生のパートナーになってくれる?」
「はい、、こんな私で良ければお願いします、、、」
嬉しすぎて多分訳がわからなくなってるのかな、見た事無い顔してる
「でも、トムニアの宝石杖は、、」
「いらない、宝石杖より、、綺麗な宝石をやっと手に入れれたから」
「もうっ、、、♪」
あぁぁぁぁ!もう!予想はしてたけど甘ったる空気になったよ!
しばらくそのままにしてよっと、一人で黙って街の大通りに出て買い物を再開した
だって、そうしないとトムニアさんの服がすごく涙で濡れてるんだもん
「あれ?リョウくんは?」
「多分買い物に行ったのかもね」
「僕たちはもう少しここに居ようか」
「なん、、あ」
「そう、服がこんなだし目が腫れてるし休んでから行っても問題無いよ」
「う、、はい、、」
「ねぇ、トムニア」
「なんだい?」
「次は必ず守ってね?」
「わかった、必ず守る」
次話でまた真面目な話に戻る、、はず
2人とも知ってる部分があるのに頭が真っ白で会話してます
参考にした花言葉
フジ=「優しさ」「歓迎」「決して離れない」「恋に酔う」
ハナミズキ=「私の想いを受けてください」「永続性」「返礼」
リナリア=「この恋に気づいて」




