18話、煙幕とお兄ちゃん
クソ神、レナードって異世界の神様か?
オーラは白色だ
ーうん、レナード神は龍族の神になるはずだった者なんだオーラが白なのはレナードに意識がない真っ白な状態だからだよ
なるほどな、ってか神になるはずだった?
ー本来の世界じゃ、、邪神に利用された存在さ
「あーあ、、起きちゃいましたか、作戦失敗ですね」
後ろからの女性の声に思わず驚き振り返ると
肌が真っ白なのだが左頬から首筋にかけて刺青が入った女性がいた
「誰だ!?」
インティアムが溶岩剣を構えて誰か問いただすが無言
クロノスは異世界に送る前の真剣な顔になっている
「この禍々しい気配、、まさかアデアル・マークの配下!?」
「なんですかそれ?」
クロノスの言葉に言ってることがわからないと女性は腰につけたナイフを取る構えをした
「さーて、ごめんけどインティアム」
「なぜ謝る?」
「最初言うのは面倒ごとを頼むときに言うんだよ、頼めるか?」
「構わぬ、むしろ我に頼むの一言以外は言う必要はないぞ」
「そうか、なら、、、前衛を頼むよ」
「おう!」
インティアムが片手持ちで剣を構え俺の前に立つ
俺も剣を一応出しとくか
「俺は共に歩む剣を出したい」
ーー「我は時を重ね時を止める者、我が求むは我と成長する力」
我に応えよ!始まりの剣!(スタートスパタ!)
空間から出た柄を引き抜くとスパタが出てきた
1キロくらいあると思ったが500グラムくらいの軽量みたいだ、剣が対話してくる
これは俺が強くなると色々効果が付くらしい、今はただ頑丈な剣だ
俺はスパタを構える
「やれやれ、私は平和主義者ですし目的も達成できないなら退散します」
「また、月が混ざり合ったら会いましょう」
あれ?投げつけようとしてるのって多分あれ煙玉かな、、?風を動かして風を吹かせてみるか?
インティアムが近寄り剣を振ろうとしたが何かを投げつけられたため剣でガードした
ああ、やっぱり煙玉か
インティアムが大量の煙に包まれる、、前に
風を操り出口側の階段まで煙幕を充満させる
ゴホゴホいいながら必死に逃げる女性
「ごほっ!なんで煙がこっちに!?あーもー!」
「全然締まらないやだぁぁぁぁ!」
遠くで聞こえる煙で苦しむ女性が予想通りでニヤリとしてしまった
インティアムはそれを見て
「性格、悪くなかろうか」
なんてボソッと言った、俺はあえて聞かないふりをした
クソ神は笑ってレナードはぼーっとしてた
「さて、なんか逃げていったし本題にもどる?」
「そうだね、洞窟から脱出したみたいだしね☆」
「我はなんか不完全燃焼だぞ」
ごめんよ、インティアム、、
レナードは相変わらずぼーっとしてる
クソ神はレナードの前に立ち、言葉を紡ぐ
「世界を紡ぐ龍の神よ、名付け親の思いを受け継ぎたまえ」
「クロノスよ、僕は今人格を手に入れた」
「感謝します」
レナードは目を閉じて開いた瞬間死んだ魚の様な目が輝きを出した
レナードは祭壇から降りてインティアムのところに駆け寄り、、太ももに抱きつき
「よろしくね!お兄ちゃん!」
明らかにインティアムに言ったなこれ
「お、おぅ、、」
あ、インティアムが硬直した。ってより動揺してる
なぁ、クソ神
ーなんだい?
レナード神はどうなったんだあれ?凄いベタベタしてるぞ
ーあれはね、レナード神は自我がなかったからインティアムの願望を性格にしちゃったんだ
ーつまり弟が欲しかったんだね
ーあと、レナード神を君が右手で観測してもさ、、多分観測できないよ
何故だ?
ー彼は意識がない状態だったからだよ、原型すらもらってなかった
ーちなみに元の世界じゃ名前も与えられずただ力の供給装置にされてたんだ
なるほどな、、なら、、現界したのはこれが初めてか
オーラを見たら青になってる
ーうん、世界のターニングポイントがまた一つ変わったね!
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
「ちょま、我はいきなりそう言われても困るぞ!?」
「お兄ちゃんって呼んだら、、ダメ?」
レナード神が潤んだ瞳でインティアムを見つめてる、インティアムはそれを見て目を逸らし
「ダメじゃないから泣くな」
あ、インティアムさんデレた
しかも気持ち顔が赤い
レナード神は嬉しくて太ももに顔を当てて喜んでる
なんかレナード神は子犬みたいだな
インティアムの未来もいい方向に向かうかな、良かった
「あ、その前に、、」
「俺はレナードの衣類を出したい、、!」
ーー「我は時を重ね時を止める者、我が求むはレナードを護りし力」
我に応えよ!純白龍の羽衣!
空間が割れて出てきたのは真っ白な当たり障りのない服、インナーと羽織とズボンと靴だ
特殊効果は、、強靭化と自動治癒らしい
「レナード、これを着て」
もう呼び捨てにした
「わーい!ありがとー、きていい!?」
「どうぞ」
レナードが喜び服を着ると輝き出し、真っ白な羽織服は右腕は赤、左腕は緑、羽織の首襟は黒にそれぞれ染まる
ズボンは青、靴は茶色に染まった
腕はワンポイントボーダーに染まり、胸は真っ白なインナーに茶の靴の服が仕上がった
解析する眼鏡で確認する
名前、6色の守護服、レナードに帰属
能力は能力の負担、疲労、体調不良、外部からのダメージ耐性化、自動治癒、属性攻撃の際のダメージ増加
そして未来予知(20年まで)
またエルダー並みにすごいのできたな、、
「おい、空真?それも溶岩剣並みに凄いのか?」
「だいぶ凄いよ、これでレナードは安全だと思う」
「あったかいこれ!」
着終わったレナードが喜んでる、良かった
「さーて、目的は済んだし出たいかな」
クソ神の声で皆でる気満々になった
「よし、出よう」
「帰り道に虫はいるのか?」
「虫たちは居ないよ!僕が居なくなったらあれらは形を保てないんだよ。多分出たとしても半年後かな?」
「まぁ出るときにもしかしたらあいつがいるかもだから注意だね」
「、、、大丈夫だと思うがな」
皆が出口に向かい、俺がふと振り向くと祭壇は主人の出発を喜ぶのと寂しさを含めてどこから出たかわからないそよ風が俺を包んだ
「、、、レナードを必ず立派にしてみせるよ」
小声で独白すると祭壇は嬉しいのか先程より暖かいそよ風で包んでくれた
俺はその風を感じた後に皆のとこに戻った
皆で出口に出ると、巨大な深い峡谷の中に出てきた
え、これどうやって出るんだ?
「ちょっと離れててくれ、龍化する」
インティアムからみんなが離れると、体がぶくぶくと膨れ出し
首が伸びて皮膚は鱗になり、最初に見た姿に昇華した
「背中に乗ってくれ」
龍の背中に乗れるのか!やった!
意気揚々と背中に乗った!鱗は持てるな、持ち手にするかな
俺は最前列に行く!
「レナード、空真の背中に隠れて」
んんん、、、?
なんか違和感を感じる
、、、そろそろ飛び立つ、あれ?よく考えたら慣性の法則で首がもげるんじゃなかろうか。しかも空気吸えないんじゃ無いかな
それはまずい!ギギギと擬音を出しながらクソ神の方を向くと エルダーの時に見捨てたろ?ザマァみろって笑い方をしてた
「では行くぞ!」
翼が揚力を出しながら動き出す
やばいやばいやばい!
その時、身体が思考より先に動き
手を前に突き出し、目の前に風を操りV型の空気の壁を作った、首も風で固定する
風を作った瞬間に、視界がジェットコースターみたいに上を向き動き出す。ただ違うのは
落葉剣以上に超スピードで浮上しだした。俺はまた悲鳴を上げた
「スピード上げるぞ」
死刑宣告をこの龍はしてきやがった
「いいよぉー!☆」
待て!お前は違うだろ?風の抵抗受けないだろ!?
「ちょっ「わかった!行くぞ!」てぇぇぇ!」
うぉぉぉ!視界が変わる!山を越えたらいきなり下が無くなって見る景色の高度が変わる!
あたりは山だらけの本当の山脈だ
森はあたりに見えない
「わーい!」
レナードさんご機嫌だよ!
村ってあれかな、集落みたいなのが見える
え?ちょ、インティアムさん?そのルートは山肌に直撃コースだよ?
スピード落とさないの?
落としてほしいなー?落としてよ?
願望虚しく、体感120kmでぶつかる寸前までいく
しぬぅぅぅぅ!
急にふわっとした感覚に襲われ、インティアムが地面に降り立った
、、、、、
なんだろ?このもやっと感
「ビビりまくりぃ☆」
やろう俺にトドメさしやがった
今のレナードは子犬です




