第53話⬜再会と旅立ち
「ほんぎゃあ ほんぎゃ ほんぎゃゃ〜」
「ちょっとどうしたの。赤ん坊の鳴き声がするわよ!プラム?」
「はいマスター今見てきます」
「裸の赤ん坊ですマスター。馬車の中に裸の赤ん坊がいるんです!」
「何ですって?さっきまで誰もいなかったはずでしょ。一体誰が置いてったのよ」
「イチゴ周りに誰かいない?」
「マスターエミリー誰も見当たりません。ひょっとしてこれマスターゼンじゃないんですか?」
「ええええ〜!そういえばそんなこと聞いてたわね。」
「かわいいですね〜」
「そういえばどことなくゼンに似ているような気もするわ」
「だ〜う」
よかった。俺だと気づいてもらえたようだ。しかしここまで小さくなって意識があるとは思わなかった。
それにしてもイチゴたちが少ないような気がするが?プラムとイチゴしか見えない。他はどうしたんだろう?
「イチゴ、ミルクを買ってきてちょうだい」
「分かりました。マスターエミリー」
「あなた本当にゼンなの?ゼンよね。魔導人形達はイチゴとプラム以外はみんなやられちゃったのよ。この間の魔人に」
「だ〜う?!」
そうか俺が天界に行ってる間魔人アサグが残っていたのか。そこまでは頭が追な回らなかったな。
「なんとか7人で協力して倒すことはできたんだけどね。こちらも被害甚大で5人は行動不能になっちゃったのよ。修理はできるけどね」
「んまんま」
あの頑丈な奴をよく倒せたな。大したものだ。しかし、あれから何日経ったんだろう。この間って言ってたからまだ数日なのかな。ここはまだダンジョン都市なのかな。う〜ん、わからないことだらけだ。
エミリーが俺をタオルで包んでくれる。これで暖かくなった。まあ俺だと分かってもらえただけでも見っけもんだな。情報はおいおい分かってくるだろう。
「マスターエミリー ミルク買ってきました」
「あーイチゴご苦労様。ついでにゼンにミルクあげてちょうだい」
「分かりました。さあミルクですよマスター」
「イチゴ私にもさせて?」
3人の話を聞きながら1日過ごしてみたが色々なことがわかった。まだここはダンジョン都市らしい。そして俺がいなくなってから2週間が経っているようだ。
向こうとこちらでは時間の流れが違うのだろうか。あっちでは丸1日ぐらいしかいなかったのにな。
「ねえゼン、みんなが治ったらこの町を出ようと思うの。お金はまだいっぱいあるし心配いらないんだけれどね。違う街にも行ってみたいでしょ?」
「だ〜う♡」
「うふふふふ、そう、ゼンもそう思う?」
「うきゃきゃきゃ」
そして10日ほど経った朝、町を出ることになった。俺はまだ赤ん坊のままだが、なんとかハイハイはできるようになった。
「はあ〜いマスターこっちでちゅよ〜」
「はやいはやい〜」
「はあい、よく出来まちたね〜」
「ああ、私にもさわらせて」
「私が先です!」
「マスターおむつ変えましょうね〜」「うわ〜かわいい〜」
クソ恥ずかしいんですけど。とっても。でもお世話をかけていますので 文句なんか言えません。
この調子だと元に戻るまでは1年ぐらいかかるかもしれないな。はあ〜。
「だ〜う」
「さあみんな!次の町に行くわよ!」
「「「「「「はあ〜い!」」」」」」




