第44話⬜クノッソス迷宮
「いよいよマスター抜きでの迷宮攻略ですね。みんな頑張りましょう!」
「はーい」
「ん〜いいんじゃね」
「ああ」
「ほーい」
「そうね」
「うふふふふ」
イチゴを先頭にして7人の魔導人形がクノッソス迷宮に入って行く。ここは入場料が1人銀貨1枚かかる。それを払ってもほとんどの者が割に合うようだ。生きて帰れればである。
7人は、それぞれの武器を携えて迷宮を進む。受付で聞いた話では10階ごとにボスがいてそれを倒さないと先には進めないらしい。
パーティごとに登録していけば中の人員、人数の変更は可能らしい。帰りは各階に転移ポイントがあり、そこから地上に帰れるらしい。初めての攻略でない限りは攻略中の階から始められる。何とも便利な話だ。
さすがに低階層は混んでいる。9階まではどこの階も冒険者で一杯だ。ピーチ達は最速で階を通り過ぎていく。
「しかしどこも一杯ね」
「まあこの辺りはお宝もないだろうし、さっさとボス部屋ヘ行こうよ」
「そうだね」
10階層のボス部屋の前には何グループかの冒険者たちが順番待ちをしていた。
この部屋にはビッグマイマイというモンスターがボスとして君臨しているそうだ。
「おい見ろよ!いい女がたくさんいるぜ!」
前のグループの男たちは5人組だがイチゴたちの体を舐め回すように見ていた。
「よし 行くぞ。銀の殻は俺たちのもんだ!」
前のパーティーが終わると次のパーティーが中に入れる仕組みだ。しばらくして、いよいよピたイチゴちの番が来た。
「あれ装備がたくさん転がってるわよ!どういうこと?」
「前の連中が負けたんじゃないの。だからボスがそのまま残ってるのよ」
「なるほど!あのいやらしい眼の男達のなれのはてね。しかし、でっかいでんでん虫ね」
イチゴたちの前には直径2mもあるでんでん虫が立ちはだかっていた。レモンが大鎌で薙ぎ払う。一瞬にして勝負がついてしまった。
迷宮の魔物は負けると消えてしまうが魔石やドロップアイテムを残す。今回は50cmくらいの銀色のでんでん虫の殻が残った。
「これは銀ね。持って行きましょう」
「しかしボスにしては弱かったわね。すぐに消えちゃったわよ」
「多分前の連中が力を削いでおいたんんでしょう」
イチゴたちは11階層へ降りて行った。
クノッソスの外周無料開放区
「こんなにのんびりしたのは久しぶりだな」
「護衛はたくさんいるから、あなたも行けば良かったのに」
「昨日の今日だしね。エミリーを置いては行けないよ」
イチゴたちはうまくやってるだろうか。全員にマジックポーチは持たせている。もしもの時のために魔法を込めたマジックアイテム、魔法玉をみんなに預けてある。
イチゴたちは魔法を使えないので俺の魔法をボールに封じ込めたものだ。相手に投げつければ魔法の効果が発揮される。エミリーが作ってくれたものだし、かなり当てになると思う。
今のところヘルウィンドの襲撃もない。騎士団にも目をつけられてるようだし連日は来ないか。もう地上では 狙って来れないんじゃないかな。
魔導人形が10体で警備してるし、いざとなれば転移の魔法で逃げられる。
狙ってくるとしたら迷宮の中かな。 十分考えられるな。2、3日様子を見て、それから俺も迷宮に潜ってみよう。
「ところでエミリー、一体ここの迷宮では何を売るんだい」
「冒険者に必要なアイテムよ」
見ると前にも売っていた火をつける魔道具だ。ライターみたいなもんだな。あとは懐中電灯のようなランタンのようなライトだな。それからバックパック、水袋、携帯食も売っている。
「この携帯食ってうまいな。俺も欲しい」
「ちょっとゼン勝手に食べないでよ」
「ごめんごめん」
この無料開放区でお店を開いて商品を並べた。魔導人形たちも手伝いをしている。
「いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ」
「こちらのライトは銀貨10枚になります」
こいつらすごい。普通に店員をやっている。なかなかうまいものだ。
「しかしすごいね!飛ぶように売れるね」
「うふふふふ。冒険者には欲しいものがたくさん並んでるからね」
エミリーは後ろで見ているだけだ。3体ほどが店員をしている。残りの7体は後ろの方で待機している。問題が起こった時だけ出てくるようだ。
特に揉め事もなく1日が過ぎていく。俺は暇なので後ろでイチゴたちの魔法玉を作っている。エミリーも途中で裏に来て商品を作っていた。
「すごい!まだ3時過ぎだよ。ほとんど全部売れちゃったじゃない」
「いつも大体こんなものよ」
その後は2人で店を閉めて商品や魔法玉を作っていた。




