第38話⬜クラーケン対策
「おい!こっちを見てくれ。こっちが先だ」
「ポーションはあるか?早く持ってきてくれ」
冒険者ギルドでは怪我人の手当に追われていた。どうやら例のクラーケンにやられたようだ。船に乗って討伐に出たは良いが、あえなくやられて退散してきたようだ。
クラーケンは全長30mほどはある化け物のようだ。冒険者も陸の上ならば何とかなるが、海の上で、いつ出てくるかわからないクラーケンと戦うのは骨が折れるようだ。
もうこれで失敗は2回目だそうだ。冒険者の方も死者や負傷者がたくさん出ているため3回目の討伐を組織するのは予定が立っていない。
それでも船が沈まずに帰ってこれたのは、あの威張っていたガーシー組のおかげだそうだ。何か特別な戦う手段があるのだろう。俺はガーシー組が仕切っている船を見に行くことにした。
港に行くと今回の討伐に使われた船が繋がれていた。全長50mぐらいの中型船だ。1隻は冒険者組合の船でマストがおられていた。もう1隻の方はガーシー組のものだろう。五体満足だ。
ガーシー組の船にはバリスタが積んである。それも10問もある。これだけ並ぶと戦艦のようだな。
これは3回目の討伐の募集がかかったら冒険者組合の方に参加してみるか。それにしても何か武器が必要になるな。
町の方に帰ってきた俺はエミリーを探す。えーと、エミリーの場車はどこだろう。エルダンの町の中を探すと商店街の一角に見慣れた馬車があった。
「あー、エミリーここにいたのか」
「お帰りゼン。商店街の一角を借りられたのよ。しばらくはここで商売しようと思うわ」
「何を売るんだい?」
「魚が取れなくて困ってるようね。一番いいのは魚なんだろうけど、クラーケンがいるんじゃね。いずれにしても不景気なんだからあんまり高いものは売れないわね」
陸路から食料は入ってくるが海のものが取れないで困ってるようだ。港町 なのに魚が取れないのは困るだろうな。
「魚ねえ。それなら別の海に行って魚取ってきて、こっちで売ったらどうかな。インベントリがあるから魚は劣化しないし」
「いい考えだけど、それだとゼンが大変よ。それより私に話したいことがあるんじゃないの?」
「ああ、そうだった。実はクラーケンを倒すのに武器が必要で」
「武器?あなたには魔法があるでしょう」
「いや、魔法が効かない時のための切り札が欲しいんだよ」
「なるほどねー。考えてみるわ。その代わり魚は頼んだわよ」
「分かったよ」
俺はエキドナの時の戦いの反省を生かして空を飛べるように練習している。あいつのように高いところまでは行けないが2、3mなら浮けるようになっている。
空から雷魔法を連発すれば魚は浮いてくるに違いない。それをインベントリに回収すれば何とかなるんじゃないかな。早速海に出て実践してみようと思う。




