第34話⬜決着
黒い影はエキドナを抱きかかえたと思うとふわっと飛び上がった。そして だんだんと形を作っていく。
それは鎧を着た 3メートルもある大男になった。この男もエキドナと同じように頭に立派な角が2本生えている。そして肩の辺りには無数の蛇が動めいていた。うえ〜気持ち悪い。足は2本あるが膝から下は蛇になっている。
「エキドナ邪魔をするぞ。」
「大魔王様、申し訳ありません。」
こいつが大魔王か。こいつを倒せば 魔王軍は終わりっていうことだな。すると、その時魔王の後ろにシャチー様が現れる。
「ゼンよ!こちらは頼んだぞ。今まで世話になった!さらばだ!!」
そう言うとシャチー様は大魔王とエキドナと一緒に消えてしまった。どこかへ転移したのだろうか。
「えー!どういうことですか?シャチー様!!」
大魔王は自分が何とかするって言ってたから引き受けてくれたのだろう。けれどもエキドナも一緒で大丈夫か。 まあエキドナは瀕死だったから、なんとかなると思うけど。
俺は力が抜けたのか両膝をついて、その場に跪いてしまった。それと同時に魔王軍もアルカスの軍も動き出す。
ただ魔王軍はだいぶ混乱しているようだ。向かってくるもの逃げ出すもの いろいろだ。だが半分以上は町に向かって進撃を開始した。
俺は先ほどの戦いのダメージが残っており思うようには動けなかった。魔導人形やシャチー様の部下に街を守るように伝えた。
「ううう!これじゃいつもの半分の力も出せやしない。何とか町を守らないと。」
しかし魔王軍の勢いは凄まじく、あっという間に門を突破されてしまった。
アルカスの町の冒険者や騎士団は街の中で応戦してるようだ。
「サンダーストーム!ファイヤーストーム!」
できる限りの魔法で対抗する。魔導人形たちも敵の大物を一体一体仕留めている。しかし倒れた者もいるようだ。
1時間たったのか2時間経ったのかわからないが、ずいぶん長い時間のように感じられた。いつのまにか俺は倒した魔物たちと一緒に倒れていた。
「痛いな。エクストラヒール。」
傷は何とか直すことができた。しかし体はフラフラだ。どうやら血を流しすぎたようだ。
周りを見ると死体ばっかりで動いてるものはほとんどなかった。パチパチと建物が燃える音がする。
「そうだエミリーは大丈夫だろうか?馬車はいつも町の外れに止めているから心配だ。」
周りを見渡すが魔導人形たちの姿も見当たらない。まさか全員やられてしまったのか?
町の城壁はあちこち破られてはいるが全滅したわけではないようだ。中で大きな歓声が聞こえる。なんとか魔王軍は追い払ったようだ。
俺は槍を杖代わりにしてエミリーの馬車の方へ行く。途中で動かなくなった魔導人形を見かける。
全部壊れたわけではないがエネルギーを使い果たしてしまったようだ。魔導人形はだいたい見つけることができた。
しかし エミリーを発見することはできなかった。




