第32話⬜決戦アルカスの町
ここは地下洞窟の中にある大魔王デュポーンの居城。玉座には大魔王が鎮座している。その傍らには部下の報告を聞くエキドナの姿があった。
「なんだと!4軍団で攻めて行って全部負けたというのか!信じられん。」
「はい、軍団長は全員打ち取られ、 部隊も散り散りで、ほぼ全滅状態です」
エキドナは茫然自失といった感じでその腕を震わせていた。やがて、怒りに満ちた表情で部下に問いただす
「で、相手は何という名の冒険者だ」
「一人は女の冒険者で名前をシャチーと言います。もう1人は男の冒険者でゼンと言っていました。その2人の周りには何人かの部下がいて素早い攻撃をしかけていました。」
エキドナは部下から更に詳しい報告を聞く。そしてシャチーとゼンという冒険者はアルカスの町にいることを突き止める。
「大魔王様今一度私めにチャンスをお与えください。残りの軍団を率いて必ずやアルカスの冒険者を討ち取ってご覧に入れます」
「・・・・・うむ、やってみせよ。だが、お前が危ない時はわしも出るからな」
エキドナは驚愕の表情で大魔王を見る。その表情には歓喜の涙があった。
「行きます!」
エキドナは残った9つつの軍のうち4つを引き連れアルカスの町に向かう。
「エキドナ様!全部連れて行かなくていいんですかい?」
「馬鹿者!大魔王様の軍団を全部連れて行けるわけがないだろう!半分は残しておかねば。この4つの軍団で1つの町を攻める。勝てなければ帰るところはないと思え!!」
「おおーーー!!!」
アルカスの町
「ゼン!魔導人形を全部で10体用意したわ。これで町を守るので前よりはいいと思うんだけど」
「町も大切だけど、エミリーの命が一番大切だよ。君に何かあったら・・」
カンカンカン、カンカンカン町の警報の鐘が鳴り響く。
「魔物が来るぞー!戦えるものは 城壁に集まれ 魔物が来るぞ」
「じゃあ俺も行ってくるよ。エミリーくれぐれも気をつけてね」
「うん」
俺は魔導人形を引き連れシャチー様と合流し城壁へと向かった。門の外では100mぐらい離れたところで真っ赤な服を着た女が何かを叫んでいた。立派な2本の角を生やし空を飛んでいる羽が二対も生えている。
「この町にシャチーとゼンという冒険者がいるだろう!出てきて戦うならばよし!出てこないならば、この町ごと叩き潰す!さあどうする!」
俺はシャチー様と顔を見合わせる。シャチー様の目がお前が行けと合図しているので前へ出て答える。
「俺たちだ!それで、お前たち全員を相手にしろって言うのか?見たところ1000体以上はいるみたいだが」
「たわけ者が!この私エキドナとお前たち二人の勝負だ!」
「ほー、なかなか 豪気なことだな!だが1対2っていうのは気に入らねえ。それならば俺が相手をしよう。1対1で勝負だ。負けたら引き上げろ!そっちが勝ったら好きにしろ!」
俺たちは互いににらみ合う。相手は空中に浮いている。俺は地面でそれを見上げていた。




