第31話⬜ 思惑
「ゼンよ、魔物の襲来が多いと言ってまさか逃げようとしてるのではあるまいな?」
ドキ!何この人!俺の心の中を読んでるの? いや人じゃない!神様か。恐ろしい。
「嫌だな〜。そんなこと考えるわけないじゃないですか。採点部屋で猿にされちゃいますよ〜」
「ぷっ、まあ そうなんだがな。あれが大魔王デュボーンの軍勢だ。今までよりは歯ごたえがあろう。」
「はあ」
いつになく真面目な雰囲気のシャチー様を見て不思議に思う。いや、いつもふざけてばっかりだと思っていたが、これだけ真面目な顔をするということは強敵なんだろう。
「大魔王は私がわらわが倒す。そのために来たのだからな。お前には腹心のエキドナを倒してもらいたい。」
腹心って言うからには大魔王が一番頼りにしてるやつなんだと思うが、一体どんな相手なんだろう。
「そこまではわからん」
う・・・また心を読まれた。シャチー様絶好調だな。
「エミリーと今後について相談してきます」
俺も随分強くなったが、これ以上相手が強くなるのなら町を無傷で守りきる自信はない。いつも街に残していくエミリーが心配だ。
魔導人形数体で守りきれるとは思えない。やはりどっかに避難してもらった方がいいのかもしれない。しかし、どこに行っても絶対安全なんてところはないし。
う~ん。困った。どうしよう。などと悩んでる間に馬車である家に着いてしまった。
「おかえりゼン!無事でよかったわ。どうしたの?」
俺はさっきまで考えてたことをエミリーに話した。
「うーん。そこまで強力なのが来るんだ。そうするとこんな城壁や馬車ぐらいじゃ粉々にされちゃうわね。魔導人形君たちでもだめか。私もちょっと考えてみるよ」
結局いい案は出ずじまい。本当に困ってしまった。せめて転移魔法が使えればな。
でもそんなのは錬金術師のエミリーには使えないし、自分も攻撃魔法ばっかりで、それは今のところ使えないし。
ましてや近くにいない時のことを考えてるので、どうにもならない。
「こりゃあ相手を先に倒すしかないか!」
守れないなら責めるしかない!結局俺はこの考えに到達した。なんとか敵の本拠地を先に叩けないものだろうか?
今度敵に接触した時が勝負だな。




