第28話 サキュロスとミーノータウルス
俺たちはシャチー様の魔法で魔王軍が潜伏している地域を目指していた。
目指すと言っても歩くのではなくシャチー様の瞬間移動で動いている。ただいかにシャチー様でも行った事がない所には移動できない。
だから見える範囲で我らを連れて順々に移動してきている。場所はアルカスの町の西側なのは分かる。
移動すること30分、合成獣魔王のテリトリーに入ったようだ。変な気配がする。
「ここはデューポーンの配下サキュロスの縄張りらしいな」
シャチー様がそう言った瞬間頭に羊頭の人型の魔物が50体現れた。体長は3メートルはある。
「みんなかかれ!」
「「「はいマスター!」」」
イチゴ達は一斉に攻めかかった。しかしある程度ダメージを与えると煙のように消えてしまう。
これはいったいどういう事だ?20体ほど消すと新しい羊人間が現れた。なるほど!消耗戦に持ち込もうと言うらしい。
「むっ!新手か。今度はミーノータウルスか」
ミーノータウルス?牛頭の人型の魔物だ。やはり3メートルはある。俺たちは100体を相手に戦う事になった。
蘇らないようにしないとな。シャチー様は?あれ?相手を溶かしてる。流石だな。
「それなら俺は凍らせてやる!リキッドニトロゲン!」
ピキピキピキーン!あっという間に30体ほど凍らせてやった。
「このやろう!どうだ」
ガンガンガンガンガン!珍しくクロも働いている。というかこの状況だと戦わないわけにはいかない。
相手の数が半分になったと思ったら戦い方が変わった!5体ずつ分散して相打ち狙いで特攻をかけてくる!
「うあー!」
「ぐはっ!」
「うあっ!」
なかなかやる。こちらの陣営に被害が出始めた。
「みんな無理をするな距離をとって戦え!」
「「「はいマスター!」」」
30分後相手は全滅した。しかしこちらにも怪我人が出た。ベリーとグレープが動けなくなった。
シャチー様の部下も大怪我で3人寝ている。いや魔法で怪我は治ったようだ。しかし血を流しすぎて戦えないだろう。
俺は2人をスリープモードにしてストレージにしまった。
ズガガガガガガーン!無数の槍が降ってきたがシャチー様には届かなかった。
「むん!誰だ!この程度の攻撃でわらわは倒せんぞ!」
「フハハハハハハなかなか強えな。女!」
「ぐはっ・・・」
「うー・・・」
「・・・」
何と相手は10メートルはある大きな羊頭の巨人だった。
どうやらシャチー様への攻撃はおとりで先程の怪我をした3人を狙ったようだ。残念ながら3人ともこと切れていた。
「よくもやってくれたな!」
シャチー様が怒っている!羊頭に向かって行った。
「みんな気をつけろ。多分牛頭の親玉がいるぞ。散らばれ」
「「「はいマスター」」」
「グモモモモモモーン不意打ちはかけられないわけね。あなた頭いいわね」
現れたのは牛頭で10メートルはある巨人だった。大きな斧をふりながら突進してくる。
「サンダーストーム!あれ手応えがない」
次の瞬間俺のすぐ脇に巨大な斧が突き刺さった。クロの技に似てるな。こいつは子分達より器用なようだ。
部分的に体への攻撃を無効化できるようだ。何らかの力で体の作りを変えられるのかな?それなら
「リキッドニトロゲン!何?体全部すり抜けた?」
ガシャーン!ガシャーン!巨人の斧が地面に突き刺さる。
うーん、おかしいな。体全部すり抜けるとは?考えたがわからない。
その間にも牛頭の巨人の攻撃は続く。イチゴ達も攻撃するが通らない。
戦いはもう10分以上続いている。イチゴ達が攻撃を受けた瞬間に攻撃を返すがすり抜けた。
「主!あの岩の陰に小さな牛頭がいるぜ」
「何?」
そうかあの小さな牛頭と実体が入れ代わっていたのか?それなら
「おいみんな!その小さいのを一斉に攻撃しろ!」
「「「分かりましたマスター」」」
小さい牛頭が攻撃されるのと同時に大きい牛頭の巨人にリキッドニトロゲンを放った。
「うぐあー!なんで分かったのよー」
「こんだけ長引けば分かるわ!みんなもう一度だ!」
「「「はいマスター」」」
「せーのリキッドニトロゲン!」
「グギャー!!」
どうやら倒せたようだな。敵の魔力は全く感じない。シャチー様は?あちらはもう決着がついている。羊頭の巨人は倒されたようだ。
「ゼンよ、一旦引き上げるぞ」
「分かりました」
「思いの外手強かったな」
「はい」
まずはベリーとグレープを治してもらわないとな。




