第27話 クロ
シャチー様の卵から生まれた獣たちは元気がよく、どんどん成長していった。成長するに従い人型に近づき3日ほどで10体とも屈強な戦士に育った。
「うーん強そうなのは良いがどうも大きくて幅を取るわね。もうちょっと小さくなれんか」
すると獣たちは皆160から170センチメートルの女の娘の姿になった。なんだこいつらはメスだったのか!絶対オスだと思っていた。
変身できるのか、便利だな。しかしみんなかわいくなったな。
「シャチーママ私達お役に立ちます」
「ママ任せてよ」
「うむ、期待しているぞ。ゼンよ、お前の卵はまだかえらんのか?」
「何ででしょうねー」
理由などわかるはずもない。これはハズレでひょっとしたら死んでるのかもな。
「ゼン?今よからぬ事を考えていたでしょう?」
さすがエミリー鋭い!しかし結局シャチー様の卵は全部10個かえって、みんなあんなに可愛く成長した。
やっぱり思いが大事なのかな?俺は何にも思ってなかったし今でもろくなのが生まれてこないと思っている。
これじゃダメなのかな?いや関係ないだろう。いやそうでもないか。それじゃあ俺も少し祈っておくか。可愛い子になりますように。
「あっゼン。卵にヒビが入ってきたわよ」
「本当だ」
何と生まれたのは3体とも真っ黒なヘビだった。しばらくするとその3体は一つに絡み合い1体になった。
何だこれは?何で合体するの?いやできるの?またしばらくすると今度は大きくなり始めた。
10分ほどすると人型の女の子になった。髪は黒、肌も黒、目だけが紅い15才位のスレンダーな娘だ。
何か言おうとしている。何が言いたいのかな?
「お前が主か!よろしくな!シャー」
生まれて第一声がそれかよ。こりゃあかなりの娘だな。
「ああ、よろしくな」
「よかったわねゼン!無事に生まれて」
「そうだな」
「・・・・・」
「みんな無事にかえったようだし実力を見てみるか。ついてまいれ」
シャチー様は皆を魔力でつなぎ瞬間移動した。ここは町の近くの野原だな。
「それじゃあ、わらわの従者と戦ってみせよ」
「「「はい!シャチー様」」」
ケロちゃんとキーちゃんとポンちゃんが出て来た。この三人は相当強い。俺の魔導人形といい勝負ができる。
「さあかかってくるケロ」
「可愛がってやるキー」
「軽く相手するポン」
10体の娘たちがケロちゃんキーちゃんポンちゃんに順番にかかっていく。 なんで素手なんだ?しかし素手でもみんなすごい迫力だ。かなり3体に迫っているように思える。
あれ?俺のところの黒いのは何にもしないで見ているだけだ。どうやらやる気はないらしい。
髪をとかし始めた。鏡を見てみる。真っ黒なのに何か変化でもあるのかな?
結果はケロちゃんたちの勝利で終わった。まだ及ばないようだが鍛えればあの3体に追いつけるだろう。
「おい!黒!なんでお前は戦わないんだ?」
「腹減るしーシャー、だりーしーシャー」
全くなんてやつだよ。しようがないのでご飯をあげる条件で戦ってもらうことにした。
相手はケロちゃんだ。ケロちゃんパンチがうなって黒に命中するかと思ったがすり抜けた。
そして次の瞬間黒のパンチがさく裂した。ケロちゃんは10メートルは吹っ飛んた。
へー面白い能力だな。おやケロちゃんが反撃してきた。手数を増やして攻撃してるのか。
黒はケロちゃんが一息ついた時に攻撃をした。しかしケロちゃんはそこを狙ってパンチを出した。相打ちを狙ったのだろう。
今度は両方が吹っ飛んた。すぐに二人は立ち上がり身構えた。
相打ちを繰り返すこと15回目均衡が破れた。黒のパンチが2つから6つになりケロちゃんをとらえた。
「ぐはっケロ」
「はあはあはあはあシャー!」
「うむ見事だ。そこまで」
黒はこちらに来て手を出している。何だ?ああ、食い物か!俺はストレージから肉を出してやった。
食べる食べる。どれだけ食うんだ?元が蛇だからくいだめが効くのかな。
「足らない分は俺の魔力をやろう」
「シャー!これはすげー。ゲフ」
どうやら満腹になったようだな。そうだ。名前をつけてやらんとな。
黒い蛇だからブラックスネーク?う〜ん。黒い女の子だから黒子?う〜ん。イマイチだな。まあクロでいいか。
「お前の名前はクロだ」
「そのまんまだなシャー」
あまり否定はしないからこれでいいのかな。
「ゼンよ。わらわはこれから魔王軍の討伐に行く」
「また魔王ですか。今度はどんな魔王なんですか」
「うむ、今度のは最も厄介な奴だ。合成獣魔王デューポーンという。数はさほど多くはないが強力な部下が多い」
「それじゃあ俺も行きますよ」
「うむ。助かる」
こうして俺たちは次の日の朝討伐に行くことになった。




