第26話 卵
「おい。あの骸骨の集合体みたいなのは何だ」
「はいマスター。どうやらあれがグレートスカルのようです」
俺とシャチー様はやつの軍団をことごとく壊滅させてグレートスカルの本拠地に来ていた。
本拠は山で坑道のようなものが2本あった。それぞれシャチー様と俺で右と左に分かれて進軍をした。
どうやら俺の方が当たりだったようだ。それにしても気持ち悪い。全長20メートルはある巨大な人型骸骨だが頭が四つもある。右手に剣、左手に杖を持っている。いや腕は全部で八本もある。おまけに尻尾まである。
あれ?こちらに気がついたみたいだな。やつの部下がこちらへ向かってきている。
四ツ足の骨の塊だが何だろう?それぞれ獣の姿をしている。10体ほどこちらにかかってきているのでイチゴたちを迎撃に出した。
俺はあのグレートスカルってやつを何とかやっつけようと思う。しかし、どうしたものかね。
ガンガンガンガン!ドスン!
「ひとつ!そっちに行ったわよ!グレープ!」
「大丈夫よピーチ」
ドズンドズンドズン!
「これで6体片付いたわ」
あの調子なら大丈夫だろう。とりあえず魔法で攻撃してみるか。
「ヘルファイヤーストーム!」
ドスンドスンドスンドスン!あれ?効いてないか!こっちに迫ってきてる!
あれ!杖から魔法が来た。闇魔法か。そんなもんくらうか!
「サンダーストームトルネード!」
ドスンドスンドスンドスン!効いてないな。くそう。こうなったら直接攻撃で!
俺は槍を出してやつの頭に叩きつけた!ガイーン!
「くそう。なんて硬いんだ!」
やつも7本の剣を振り回してくる!これじゃあ埒が明かない!どうするか!
「ぐははははははは。その程度か!踏み潰してくれる!」
うーん。何か手はないか。うむ、究極まで冷やしてみるか!
「くらえ!リキッドニトロゲン!」
要するに空気を冷して窒素を取り出し更に冷やす!液体窒素の出来上がりだ。
我ながらなんて恐ろしい魔法だ。これで動けたら化け物だな。案の定グレートスカルは凍りついて動かなくなった。
「エクスプロージョン!」
ドッカーン!バラバラバラバラ!
「よし!これで片付いた」
あれ?奥の方からシャチー様たちが歩いて来た。何か持っているようだ。
「ゼン!こちらはハズレだったぞ」
「ああ、すみませんね。今グレートスカルは片付けましたよ」
「しかし面白い物を見つけたぞ」
「なんですか?その白い丸いのは?」
「何だろうねー?卵かな?」
「こんなアンデットの巣窟で卵ですか。まさかアンデットが出てくるんじゃないでしょうね」
「わらわには分からん。だが何が出てくるのかは楽しみだわ」
ろくなのが出てこないだろうな。まあいいか。シャチー様が持っている分には俺は困らない。
「そうだ!たくさんあるからお前にも分けてやろう」
「いや、俺はいいですよ!卵なんて興味ないし」
「そう言うな!これ2つ3つやるから お前もこれで様子を見ろ」
「えーそんなのいいのにー」
結局シャチー様から卵を3つも貰ってしまった。一体何が出てくるんだろう。
卵は直径20センチメートルぐらいの楕円形の白いものだ。アンデッドじゃないだろうが何が出てくるんだ?
俺たちは全員無事でアルカスの町に帰りエミリーと再会した。
「なあにそれは?」
「卵らしいんだがよく分からん。シャチー様、温めてますがかえるんですか?」
「鳥はよくこうしているだろう?早く出てこい。かわいい子。早く出てこい。かわいい子」
シャチー様は歌いながら10個もある卵を抱えて温めている。あれでかえるのかな。
「もう寝るか」
「そうね」
「わらわが真ん中じゃ」
「それはいいんですが卵は置いてきてくださいよ。潰れたら困るし」
「う〜ん。それは〜」
「じゃあシャチー様の魔力で包んでおいたらどうですか」
さすがエミリー。いいことを言うね。
「なるほど、それはいいな。俺もそうしよう」
「そうだな!それはよい考えだ!えい!良い子が生まれますように!」
シャチー様は自分の魔力で卵を包みいつものように俺たちの間で寝た。
翌朝
「うあ〜よく寝た」
最近は慣れたのかシャチー様がとなりで寝ていても寝れるようになった。まあその向こうでエミリーがこちらを見ているような気がして何とか寝ているというべきか。
「ゼン!シャチー様の卵がかえるみたいよ」
「シャチー様起きてください。卵がかえるみたいですよ」
「う〜ん。たまご〜?何!わらわの卵が」
すぐさま飛び起きたシャチー様は卵の前で座ってじっと様子を観察している。
よっぽど楽しみなんだろうな。これでろくなのが出てこなかったらがっかりするだろうな。
俺の卵の方はまだなんともないようだが、おお、ひびが入ってシャチー様のタマゴか生まれそうだ。
「あ、割れた!」
何と中から出てきたのは白い羽の生えた魔物達だった。いろんな魔物がいるが白い羽の生えた魔物は見た事がない。
まさかシャチー様の願いが具現化してるのか?10匹ともシャチー様に引っ付いてくる。
「かわいいな。わらわを親と思っておるのかな」
「あのシャチー様。この白い羽はシャチー様の羽に似てますね。何かしたんですか?」
「わらわは魔力を与えただけ。あとは何もしておらん」
あれ?よく見たらこの魔物達は浮いてるようだ。ふよふよと浮いてシャチー様にまとわりついている。
色々といる!虎の獣や馬の獣、獅子やサイ、大トカゲ、ワニ、ゴリラ、クマ、牛、オオカミかな。
本当なら世にも恐ろしい魔獣軍団ができるのだろうが今は大変かわいくなっている。
俺の卵もこういうのが生まれてくるのかな?どうしよう・・・・・




