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末期的世界の救済者  作者: チャッピーミイタン
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第22話 神の娘シャチー

魔王を倒された一万の軍勢は見事に統制を失った。攻めてくる者、国へ帰る者、争いだす者、もうバラバラだ。


300位の群れが来てもさすがに8000の軍勢にはかなうわけがなく全て撃退された。


一週間ほどでアルカスの町へ戻ってくることができた。


「あー疲れた。戦いもやっと終わったしちょっとゆっくりしたいな」


「マスターは頑張りましたからね」


「ご褒美も沢山出て良かったですねマスター」


「あー、まあ、ないよりは良いよな」


最近は俺の能力が上がったせいかストレージも大きくなってるようだ。近くに行っただけで色んなものを拾うことができる。


この間の戦いでも相手軍の陣地を通っただけで倒した相手側の兵士の武器や防具や食料などを補充することができた。


「ただいまエミリー、やっと戻れたよ」


「お帰りゼン。無事で何より」


「エミリーのアイデアで相手を倒すことができた。本当に助かったよ」


「そう、それじゃあもっと私を敬いなさい」


「あはは、そうだね」


『ゼンよ。今回の戦い見事であったグギギ』


『褒美をとらせる』


『とっても良いものよ』


「何だい?矢継ぎ早に、何か急いでるのか」


『そうではない「キャハハハハハ」のだが』


え?誰か違う声がしたよな。誰なんだろう?


『とにかく褒美を送るわね』


「はあ、ありがとうございます」


何かありそうだな。まあ、いつものことか。気がつくと5歳ぐらいの女の子が俺たちの部屋の中にいた。


オレンジ色の長い髪、黄金の鎧を身にまとっていた。まさかこの娘が 褒美だというのか?なんだかものすごく嫌な予感がする。


「この娘がご褒美だというのですか?アシュラ神・・・いったいどういうことなんですか」


「その質問にはわわらが答えよう」


「わらわ?あなたは何者ですか」


アシュラ神の手の者か?しかし、こんなに小さい娘に何ができるのだろう。


「わらわの名はシャチー、アシュラ神の娘だ」


「「ええーーーーー!」」


「今日から世話になるぞ。よろしくなゼン」


「あの、いったい何をしに来られたんですか」


「そんなの戦いに来たに決まってるだろう」


「「ええーーーーーー!」」


「わらわは眠いのだ。ゼン添い寝をしてたもれ」


「あ、はい。分かりました」


「ちょっとゼン!どうするのよ」


「う〜ん、分からん」


俺も疲れていたのでこの日はすぐに眠ることにした。隣にはシャチー様がいる。


よく見るととっても愛らしくて可愛い顔をしている。とてもあのアシュラ神の娘とは思えん。


しかし戦いにきたと言ったがどうするつもりなんだろう。特殊な力でも持っているのか?明日聞いてみるか。


次の日の朝


「ちょっとちょっとゼン!起きてよ!」


「うーん、だるいなー。疲れが取れない。どういう事だ?」


シャチー様が大きくなっていた。昨日見た時は5歳ぐらいだったが今はどう見ても7、8歳程度の大きさになっている。一体何が起こったんだ?


「やあ、よい朝だ。気分爽快だわ」


「私は絶不調です」


「そうか?今日は下界の食べ物を色々と食してみたいな。案内してたもれ」


「はあ、それはいいのですが、なぜ急に大きくなられたのですか」


「まだ本調子ではないがな。段々と元に戻るだろう」


元に戻るってどういう事だ?


「それじゃあエミリー今日は町を歩いてシャチー様が好きそうなもの食べさせてくるよ」


「そうね色々と町案内をしてあげて」


魔力回復薬を一本飲んでから出発した。


「ゼンよ。私に対しての敬語は不要だぞ。普通で良いぞ」


「はあ、ありがとうございます」


シャチー様のご要望で最初はお肉を食べることになった。食べる食べる串焼き、ステーキなど軽く10人前は食べていた。


腹はちっともふくれないし一体どこに食い物をしまってるんだ。本当に不思議な子だ!いや神様か。


次は甘いものが食べたいということでスイーツの食べ歩きだ。どうやら甘いものは好きなようだ。覚えておこう。


シャチー様は一日中はしゃぎ回ってとても嬉しそうだった。喜んでもらえて嬉しいのだが本当に何しに来たんだろう。


そして夜になり夕食も風呂も終わって寝ることになった。


「ゼンよ。添い寝をしてたもれ」


「まあそれはいいのですがシャチー様と寝ると私は非常に疲れるのですが」


「国の英雄がそんな細かいこと気にするんじゃない」


「まったくもー」


次の日の朝


「ゼン!ゼン!起きて起きてよ」


「うえ〜気持ち悪い〜」


これは魔力欠乏症だな。シャチー様に吸い取られたのか。魔力なら自分のストックも魔力回復薬もある。


回復薬を飲むか。一本空けて飲んでみたら体が随分楽になった。よしもう一本!これで全快だ!


そうか俺の魔力を吸い取って大きくなっていたのか。それなら言ってくれればあげたのに。


今の姿は7、8歳どころではなく12、3歳に見える。もうかなり大人に近づいている感じだ。


「魔力が欲しいなら言ってくれれば一気にあげましたのに」


「いや一気では困るのだ。少しずつがいいのだ」


「そんなもんですか」


今日は体を慣らすと言うことで武術の訓練をしたいそうだ。シャチー様を連れて冒険者ギルドの訓練室に来た。


「ほう、ここが冒険者ギルドか。よく裁きの間から見ておった」


ああ、あの忌まわしいところね。


「木刀でいいですか?シャチー様」


「うむ。今は二本でよいぞ」


俺たちは一足一刀の間合いでお互いに構えた。


「行きますよ」


「うむ、まいれ」


ガンガンガンガンガンガンガンガン!ボカッ!


「うあああ・・・うむむむ、や、やりますね」


その後シャチー様を相手に十数回試合を行ったが一本も取れなかった。とにかく全く無駄がないのだ。流れるような動きで俺の剣は完全に見切られていた。


「うぐぐ・・回復ポーション・・はあはあ、しかしシャチー様は強いですね」


「うーん、まだ全力には程遠いな。お腹がすいたぞゼン」


この娘はどんだけ強いんだよ。


「それなら俺の魔力をあげますよ」


「うむ、もう大丈夫だろう。よろしく頼む」


俺はシャチー様の手を握り魔力を送り込む。魔力を半分以上あげた頃シャチー様がまた成長した。


年の頃は15、6歳程度、身長は165センチメートル、もう立派な女性の体型になった。オレンジの髪が腰の下まできている。黄金の鎧も彼女に合わせて成長したようだ。


「アハハハハハ、こんなに早く元に戻れるとは思わなかった。ゼンよ感謝するぞ」


「元に戻れて良かったですね」


「キャハハハハよし、ご飯に行くぞゼン!」


「分かりました」


シャチー様はとにかく元気でお肉を食べまくっていた。


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