第11話 黒竜退治
俺たちはそれぞれの仕事に向けて動き出した。俺は強くなり金を稼ぐ。エミリーは移動式のお店兼自宅を手配する。
「じゃあ行って来るよ」
「気をつけてね」
まずはここの冒険者ギルドに行ってみるか。ギルドに入るとすぐに絡まれた。
俺はよほど弱く見えるらしい。顔も童顔だからかな。19には見えないんだろう。
「おらおら兄ちゃん。この俺様が冒険者の厳しさを教えてやるぜ!」
「おもしろいな。やってもらおうか」
つかみかかってくるので腕を取ってひねりあげる。
「どうした?冒険者の厳しさを教えてくれよ」
「うぎぎぎぎ、ギャー!ず、ずびばせんでじた」
迷惑料として銀貨30枚をもらった。受付に行くと騎士団に呼ばれていることを聞いた。
騎士団詰所
「昨日は御苦労だったな。これが報酬だ」
金貨74枚も入っていた。内訳は盗賊の奴隷落ちの代金金貨34枚、懸賞金金貨30枚、馬の代金金貨10枚だ。なかなかの稼ぎになったな。
「リザードマンが攻めてきたぞー!」
「なんだそれは!」
町の門が閉じられた。騎士団が戦いの準備をしている。門の近くに行くと冒険者達が城壁の上に集まっていた。
俺も城壁の上から外を見てみた。何とリザードマンが300体はいるではないか。
騎士団は100人位かな。冒険者は70人ってとこだな。まともにやったら負けだな。
『ゼンよ!戦え!そして勝て!』
「この人数差でかよ」
『逃げたら・・・』
「やりゃいいんだろう!やりゃあ」
くそう、300対170かよ。俺は城壁の上から魔法攻撃を開始した。
「ファイヤーランス!ファイヤーランス!ファイヤーランス!」
リザードマンはそんなに強くない。密集していればこの魔法で複数倒せる。
「効率が悪いな。ウインドカッター!ウインドカッター!ウインドカッター!」
「似たようなもんか。ようし風魔法トルネード!」
これはなかなかいいな。竜巻がリザードマンを舞い上げ叩き落とす。6、7体は倒せるぞ。
「トルネード!トルネード!トルネード!こんなもんでいいかな」
俺は城壁から降りて槍で戦い始めた。突いて突いて突きまくる。大きく振り回しきり飛ばす。ひたすら繰り返す!
門が開いて騎士団が出てきた。俺は魔法で40体、槍で30体は倒している。冒険者達も30体は倒しているから100は減っているはずだ。ただ冒険者も20人はやられたみたいだがな。
さすがに槍が切れなくなったので剣に替えた。こちらは安物なのですぐに切れなくなる。倒した相手の武器を取って戦う。
繰り返し武器を奪って戦う。騎士団も頑張っているが30分ほどで半数は倒れた。やはりまだ相手の数が多いな。
「ハアハアおい騎士団!このままだと全滅するぞ!引いたらどうだ」
「それももう無理だ。引いたら一気に押し込まれる!」
「俺が相手を押し返す。そのすきに撤退しろ。トルネード!トルネード!トルネード!今だ!」
どうやらこうやら倒れた者も回収して門の中に入れたようだ。
さて後は俺だけか。敵はあと150ってとこかな。俺は落ちている武器を相手に投げつける。
しかしこいつ等は中々引いてはくれないな。半数はやられたのにな。死ぬのが怖くはないのかな?
「黒竜だー黒竜が来たぞー!」
「ハアハア、おいおいここに来て黒竜かよ」
全長30メートルはある真っ黒な竜だ。四足で羽が生えている。炎のブレスをはき城壁を燃やしている。
フライで飛び黒竜の羽に向かってトルネードを撃ち込む。そして首の後ろからウインドカッターで切りつける。
「ハアハア、ウインドカッター!ウインドカッター!ウインドカッター!だいぶ傷ついたな」
黒竜は暴れるが俺を捉えることはできない。トドメを撃ち込んでやろう。
「ハアハア、エクスプロージョン!エクスプロージョン!エクスプロージョン!」
ドズーン!黒竜が倒れた。ようやくリザードマン達が引き上げ始めていた。散り散りに逃げて行く。
魔力がギリギリだったな。だんだんと地上に近づいて着地した。そのまま意識を失った。
採点部屋
『よくやったゼンよ。なかなかの働きだ』
「そりゃあどうも」
『グギギ褒美をとらせる』
「剣がほしい」
『そう言うと思ったわ。これを使いなさい』
「ああどうも。他の奴はどうなったんだ?」
『今の生き残りは195人。今回の戦いで24人が死んだ』
「またそんなに!」
『グギギさらばだ』
「う〜ん、立ったまま寝てたのか」
「おーい、お前なかなかやるな」
「サァ祝杯をあげようぜ」
「そりゃいいな。だがその前に体を洗いたいな」
「そうだな」
今回の戦いは大規模だったようだ。今までこの町で竜が出てきたことはないそうだ。
討伐報酬は一律金貨2枚だった。命をかけたのに安いな。
川で体を洗って冒険者のみんなと酒場へ行く。酒より食い物を詰め込んだ。いつの間にか眠っていた。
「あれ?俺はどれくらい寝てた?」
「ずっと寝てたよ。だが無理ないぜ」
勘定を払ってホテルに行く。エミリーが部屋で何か書いていた。
「何やってんだ?エミリー」
「ああゼン。お疲れ様」
「これは今日の分だ」
「相変わらずむちゃくちゃな金額ね。これだけあれば十分作れるわ。これよ」
「おー凄いな!」
彼女が書いていたのは移動式のお店の設計図だ。馬車2台分の広さで前が店で後ろは俺達の部屋になっている。
しかし物知りな娘だとは思ったけどこんなことまでできるなんて凄いな。ひょっとして俺の影響かな?なんかそんな気がする。
頑張れば出来るようになる俺のスキル。彼女にも影響が出ているようだ。




